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眠りに着く前、俺は今日の出来事を思い返す。
不思議と女の子たちの玩具にされたことはそれほどショックではないようだった。
それよりも……と俺は思う。
その後の方がどうにも衝撃が大きかった。
翔琉が俺を連れ出して……それから……。
駄目だ、これ以上考えると顔から火が出てしまう。
俺は布団に潜り込んで、これ以上今日のことについて考えまいとした。
でも、目をつぶって忘れようとすればするほど、あの時の感覚が蘇ってくる。
熱い唇。
教室に広がる二人の吐息。
……俺はどうかしてしまったのか。
翔琉の唇が触れたところに指先を添える。
トクトクと、心臓が静かに鳴る。
でも、本当に翔琉はどうしてあんなことをしてきたんだろう。
俺は、斗真の言葉を思い出す。
「翔琉なりの理由」って一体何だ?
俺はもう何が何だか分からなくなっていた。
だから、ひとまず勝手に翔琉の謎の行動と斗真の言葉の意味を決めつけることにした。
そうだ、翔琉はきっとからかったんだ、いつものように。
女の子にいいようにからかわれていた俺が面白かったんだ。
それか、女の子にさえ何も言い返せない俺に腹でも立ったのだろう。
そうだ、そういうことにしよう。
俺なりの結論が出たところで、心地よい睡魔が俺に襲い掛かって来る。
もし、俺の決めつけが違っていたとしたら、なんてことは考えなかった。
その時はその時だ、と意外にもその夜の俺は吹っ切れていたのだと思う。
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