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イメージはイメージでしかない。
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──佐久間蓮(さくまれん)。
今中高生中心に人気のモデル。モデルとあって、身長は180センチ超えの高身長。それに、ハイクオリティな顔面。明るめの金髪に(よく見ると銀メッシュも入っていた)銀色の目が窓から差し込む太陽の光に負けないくらい、キラキラと輝いてて……。
芸能関係に一切興味無い俺でも知っているくらい。まぁ、妹が好きってのもあるんだけどさ。そういえば、昨日もテレビ出ててはしゃいでたっけ。
そしてそんな容姿とは裏腹に性格が──。
「なぁ、麗って誰?」
「………………………………」
只今絶賛英語の授業中。
結局机も俺からくっつけて、中央に俺の教科書を広げてるんだけど。
コイツは教科書も見ずにそんな質問を投げかけてくる。
(てか、やっぱ聞かれてたのかよ……!)
できれば一番突っ込まれたくなかった所なのにっ。
「……月波クン?」
「!」
答えたくなくて無視しようとしたのに、隣から顔を覗き込まれて変な声が出てしまいそうになるのを堪えた。
(興味はなくても顔が良すぎる!)
一般市民の俺には直視すら困難で。
バチッとあったその目からあからさまに顔を逸らしてしまう。
「………………………………」
「……っ…………………………」
隣から視線を感じながらも、無視を決め込んでいると。
──ぷに。
「! な、何っ……」
「月波、うるさいぞ」
「あ、すいません……」
先生に注意される俺の隣でニヤニヤと楽しそうに笑う佐久間蓮に、カッコいいを吹っ飛ばしてイラッとする。
(何なんだよ、コイツ!)
「麗って誰?」
しかもしつこく聞いてくるもんだから、仕方なく自分のノートの端に〈友達〉と書いた。
(……向こうは、どう思ってたかわからないけど)
なんて考えたらまた落ちてしまう。
「ここにいんの?」
〈いない〉
「……へぇ、月波クンだけ落ちたんだ」
「……………………」
な、何コイツ! なんでちょっと嬉しそうなんだよっ。
「じゃぁ、黙ってたって何?」
また質問されて、今度はすぐ対応できなかった。
だって、人に話す程の勇気はまだない。
同情されんのもやだし、気を使われるのも辛い……。まぁ、コイツはそんな事なさそうだけど何となく、絶対話したくないタイプ。
しかも今日会ったばっかで、住む世界の違う芸能人(モデル)なら尚更。なんかのネタにされてもやだし。
(だから、今はまだ自分だけの胸に閉まって……)
「月波クン」
……またかよ。
何も反応しない俺に佐久間蓮は名前を呼んでくる。それも無視するとまた、長い指で頬をつついてきて。
(ほんとしつこいな! え、これほんとに佐久間蓮!?)
なんか、テレビで見た時すげぇ無愛想と言うかクールな感じだった気がするのに。こんな話しかけてくるようなタイプには見えなかった。
そもそも同い年だったのかよって言うね……。
「………………………………」
「………………………………」
なんて思ってる間もツンツンツンと人の頬をつついてくる佐久間蓮にさすがに我慢の緒がキレる。
やめろと言いたいのを我慢して、仕方なくシャーペンをノートに走らせた。
〈言いたくない〉
「なんで?」
(なんで!?)
〈言いたくないから!〉
「………………………………」
なんて言うやり取りをノートと声でした後、やっと佐久間蓮が黙った。
「!」
けど、さっきまで頬をつついてた右手が俺の手からシャーペンを奪って。
長くて綺麗な肌した指に見とれていると、ノートに何か書かれてるのに気付かなかった。
(何書いて……)
〈ふられたんでしょ(ニコニコマーク)〉
なっ!?
俺が書いた文字の下に、可愛らしい丁寧な丸文字と丸の中で笑ってる顔付きの絵でそう書かれていた。ちなみに俺は走り書き。急に自分の字が恥ずかしくなる。
(って、違う!)
文字なんかよりその書かれた言葉の方!
「あたり? 月波クン」
「は、はずれに決まってんだろ!」
(…………あ、しまったっ……)
と、思った時には遅く。英語兼担任の羽崎先生から睨まれたのは言うまでもなく(寧ろクラス中の視線を浴びてしまった……)。
固まる俺に、隣では腹立つほど笑いを堪えてる佐久間蓮。
「月波。そんなに話したいならここの問題解いてもらおうか」
「!?」
最悪だ、マジで!!
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