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プロローグ
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それは、ある晴れた爽やかな日の事。
駅から歩いて数分の場所にある喫茶店。
そこは小さな花屋の隣にある落ち着いた雰囲気の店で、常連の客たちが珈琲を飲んでいた。
隣から仕入れているのか、店内とテラスには新緑のプランターが並んでおり、ジャズピアノの音楽と共に大変居心地が良い。
その店主がそわそわと、柔らかなこげ茶色のくせ毛を撫でつける。
前髪も撫でつけるが、ぴょこりと髪が跳ねてしまった。
その髪を隣から優しく撫で付ける手があった。
「ふふ、今日の花を用意しました」
最近隣の花屋で働き始めた花屋の店員は、性別を超越した美貌の持ち主だった。
その笑顔に見惚れる人は多いが、その笑みは喫茶店の店主にしか向けられないことを皆が知っていた。
「わぁ、素敵ですね」
「今日は私が水切りもしたんですよ」
胸元で蝶の形に見えなくもないストラップが揺れる。
「ちょうど休憩に入るところです。一緒に珈琲を飲みませんか?」
「はい」
二人はとても嬉しそうに、差し出した手を繋いだ。
おわり
【おまけ】
売れ始めた陶芸家:
最近、山奥にある陶芸工房に同居人が増えたが、同居人が思わぬ絵付けの才を見せ、ぐぬぬとしている。
食い散らかした跡のように大胆なのにどこか流麗な絵付けが人気を呼び、少しずつ作品が売れ始めている。
散々喰われたが、朝に寝台から起き上がれないだけで問題はないらしい。
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