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Inverse view 5
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躰の中を、熱が渦巻く。
もう、快楽を通り越して苦痛にしかなっていない。内側から焼かれてるような熱さで苦しくて仕方ない。吐き出す息は短く、はっ、はっ、はっ、と吐き出される。
受身の快楽の逃がし方なんて身についていない。
喘がされる息も、快感も途切れることなく続く愛撫に悲鳴をあげている。シーツを握ることしか出来ない。
一度の吐精では、たぶん満足できないだろう。もう、狂ったように叫ぶことしか出来ない。
「……も…やめっ……!!赦して…あぁ…」
「何を赦すのかな?」
嗤うような声で、アルノルドは先端の窪みを爪で引っ掻くように、指をねじ込む。
「…あっ……っ!!それ…イヤ…」
痛みと快感が入り交じって、身悶える。
タラリと次々と溢れ出す蜜を指に絡めたアルノルドは、ゆっくりと、蜜を肉茎に絡めながら、その指を上下にスライドさせた。
クチュクチュ、と、はしたない水音をたてながら、そこは、さらに硬度を増していく。
「……はぁ……んっっ……やっ……あぁ……」
硬くなればなるほど、苦しいほどに出口を求めて、腰が揺れる。
イキたいのに、ゆったりとした、焦らすような愛撫じゃ、イクことが出来ない。上目遣いで見上げることしか出来ない。早くこの熱から解放して欲しい……
「いけない子だなぁ。そんなオネダリ、誰に教わったの?」
興奮に息をあげているアルノルドが掠れた声で意地悪く聞いてくるが、そんな風にさせているのは、ほかならぬ、アルノルド張本人じゃないか。
「……知ら…ない……そんなの……ない……」
投げやりに、言葉も途切れ、途切れ、舌足らずにそう答えると、嬉しそうに眸を細める。
これがセックスだというのなら、まだ序盤だ。まだ前戯の段階でしかない。延々と続くのではないか、という恐怖が加算される。
これからもっと恥ずかしいことを要求されるだろう。
それでも、クリスは限界に近い。
確かに性的マイノリティに偏見はない、と言ったことがある。けれど、自分が身を置くのとは、訳が違う。
薬で狂わされ、信じられない醜態を晒していることに、まだ、理性がある状態のクリスには、逃げたくて仕方ない状態でもあった。
ーーもう、消えてしまいたい……
快楽と羞恥の狭間で、眸が潤む。
乱れれば、乱れるほど、アルノルドを喜ばせることはわかっている。けれど、男の躰は誰よりも男が知っている。確実に弱い性感帯を狙って愛撫してきていることは分かる。
自分だって男だし、女を抱いてる時はそうだった。それぞれ違うから感じるところを探したり教えてもらったりして感じる場所を好きなだけ愛撫していた。
何故、アルノルドは自分を抱きたいのだろう?
これだけの美形なら、女だって放っておかないだろう?相手に困ることだってないはずなのに。少なくても真嶋恵理子はアルノルドに心酔している1人だ。
自分は、こんな快楽は知らない。こんな狂気に似た快楽なんて知らない。その間にも熱は体内を焼き尽くす勢いで渦巻いている。
たとえ、薬がもたらしたものだとしても。
コンナ愛ハ、イラナイ…
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