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今日は土曜日で、会社はない。だけれど、いつまでも二人、ベッドの上で裸のまま抱き合っているわけにもいかない。腹だって減るし、おでかけデートの予定だってある。名残惜しくも寝室を後にして、オレは浴室へと向かう。シャワーを浴び、歯を磨いて、洗顔と髭剃りと朝の支度を淡々とこなしていく。
美月チャンが作っているだろう、良い匂いが廊下まで漂いだした頃、オレはダイニングへと足を踏み入れる。すると、部屋の奥、キッチンスペースで華奢なオレのヨメがフライパンと格闘している姿が見えた。
近寄っていくと、オレは激しい眩暈を覚える。…オレより一足先に寝室を出て身づくろいを終えた美月チャンが、朝食を作っている。そこまではいい。問題は…美月チャンったらオレが昨日同棲記念にあげた赤と白のチェックのエプロンを身に纏ってくれている。かわ…、かわいい…っ!!一瞬心臓素手で鷲掴みにキュッ♪されたかと思うぐらい、圧倒的かわいさ!!尊さ!!純真無垢さ!!
「あ…、光君。」
どうかな、と少し頬を赤らめて横髪を耳にかける美月チャン…。
これはドラマの1シーンかな??と疑問を抱いてしまうくらい、画になる仕草だった。その耳たぶの上部がほんのりと赤いのもたまらない。…思わず、頭からバリバリ食べてしまいたくなる。きっと絶対ガチで美味しいに決まっている。
有り余る感情に、なんと答えて良いかわからず、オレは背後からそっと、この世1、可憐な美月チャンを抱き寄せた。耳元で、吐息たっぷりに囁く。
「…すんごく似合っているよ、美月チャン。」
「そ…っ、そうかな。ありがとう。」
急激に顔を赤らめる美月チャンは、筆舌に尽くしがたくかわいい、美しい、愛らしい…!!
「透明な小瓶の中に入れて、芸術品として飾り崇めたいくらいだ。」
「…か ざ ら な い で ね??」
さっき赤面していたのが嘘みたいに蒼褪めていく美月チャン。あれ、どうしたのかな??ああ、でもほの白い肌の色をした美月チャンも最高だな。オレの指先で薔薇色に変えていくのも面白そうだ。
…にしても、とオレはすぅっと瞳を眇める。流石、オレ。エプロンはサイズもぴったりだし、何より美月チャンの愛らしさを十分に引き出している。エプロンの出会った時の衝撃はもちろん、ラッピングされたエプロンを眺めていた時だって、そりゃあ美月チャンが着たらさぞ似合うだろうと色々何百と妄想を積み重ねたが、こうやって現実になってみると、やはり。
…脱がせたいな。
やっぱ男だし、そこはね??セットみたいなもんだよね。言わずもがな。
裸エプロンなんて、今では最早古典的と揶揄されてしまいそうなものだけど、やっぱりさ。男として劣情を煽られる浪漫としては、もう間違いないみたいなとこあるよね??
ここでは割愛するが、以下ツラツラと妄想内容をシミュレートしていたら、頬をぷくりとやや膨らませた美月チャンが半身で振り返ってきた。
「…いッ、いつまで抱きしめてんだよ。いい加減、離せ。」
口は気丈だが、耳まで真っ赤な表情が満更でもない感を隠しきれていない。…そういう反応されると、こっちはメチャクチャ興奮するんだけど。
「…美月チャン。」
オレはまだ夢見心地から抜けきれないまま、手にしていたエプロンの紐へと背を低めて屈み、紐に口づけて、一言。
「何か、オレら一つにつながってないと落ち着かないね。」
「~…っばか!!」
どん、と強めに背を叩かれるが、無意識に手加減しているからか、全然痛くない。むしろ愛しか感じられない。
オレは美月チャンに散々怒鳴られ(ヒドい…。)やや離れた位置で、彼を見守ることになった。
料理している美月チャンはかわいい。ほっそりした腰が所在なさげに揺らめくとことか。活き活きしていてしょっちゅうコロコロ変わる表情とか。わたわた動く爪先とか。延々眺めていても飽きるということがない。
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