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出会いは偶然だとしても、再会は運命だったと思う。
毎年恒例の、入学式での歓迎デモンストレーション。応援団として講堂の壇上に上がり、校歌を歌うべく新入生たちを見回した直後、オレはハルの存在に気付いた。
講堂の最後部、父兄らの後ろに並ぶコーラス部と、壇上のオレらとを、ビックリ顔で見比べる美人。
式次第をちゃんと読み込んでなかったんだろうか? ただでさえ目立つキレイな顔立ちしてんのに、きょろっと動くもんだから、余計に目立ってた。
遅ればせながらハルがオレに気付いてくれたのは、締めのエールが始まってからだ。
「フレー」
「フレー」
団長の後から声を張り上げ、新入生たちにエールを送る。
さすがにハルばっか凝視してる訳にはいかねぇし、目が合ったのは一瞬だけだったけど、それでも十分すぎるくらいだった。
絶対モノにしようと、出待ちしたのは当然のことだろう。
「ハル、入学おめでとう」
誰よりも先んじて声を掛け、速やかにクラブハウスに連れて行く。
ハルを狙ってた連中は案外多くて、かなり注目を集めてたけど、誰にもどの部にも譲ってやるつもりはなかった。
170cm前半くらいはあるだろうか、すらりとした細身で、色白で、顔は小さいのに目がデカい。
艶やかな黒髪の、柔らかな手触りを知ってる。
手のひらに吸いつくような肌を。声を。体腔の熱さを。濡れた目線を。オレに縋りついて啼いた、あの夜を忘れたことはなかった。
ハッテン場で偶然出会った美人だから、もう1度会えるとは思ってなかった。
ああいうトコで相手探す奴らってのは、まあオレも含めてだけど、しつこく言い寄られんのを好まねぇ。
1回ヤッたからって恋人ヅラされんのは御免だとオレも思ってた方だから、自分からハルには連絡できなかった。
それでも「また欲しくなったら連絡して」って言ったのは、オレ以外の奴に触らせたくなかったからだ。
誰でもいいんならオレを呼んで欲しい。
誰かに身を任せるくらいなら、オレを選んで欲しい。
オレ以外の奴に手を差し伸べねぇで欲しい。
その気持ちが何なのか、自覚すんのは再会した後のことだ。オレを見てじわっと頬を赤らめる様子に、たまんなく心が揺さぶられた。
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