アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
味見
-
入った部屋は机といい石の厨房といい…酒場にしか見えない。
宿舎の一階にあるので食堂なのだろうが、健全な印象を受けないのは散らかった床のせいだ。
奥の机にうつ伏せ、空の酒器(シュキ)を片手に眠っている兵士もいる。
「……」
酒臭い……
「休息、には不向きな部屋のようですね」
「悪いが個室は全て埋まっているのだ。家なしのお前には、ここで寝泊まりしてもらう」
「そういう事なら、地下の牢をひとつお貸し頂ければ有り難いのですケド」
「我儘を言える立場か?」
「…っ」
おどけた口調で軽く笑ったシアンの首を掴み、男が顔を寄せてきた。
至近距離でシアンの顔を物色する。
「本当に上玉だなぁ。女でもこう綺麗な顔は見たことない」
「…ク…ッ──!!」
「おっ…と」
無遠慮に掴んでいた手をシアンが払う。
首をかばって何度か咳き込み、ふらふらと後ろに下がった。そして背後の机に乗り上げて腰を下ろした。
「なんだ反抗的だな。まだこの部屋が気に食わないと言うつもりか?」
「…ッ…ゴホッ ゴホッ!…確…かに、盗られて困るような物も…持ち歩いていませんし。個室でなくとも構いませんよ」
「ははは、安心しろ。お前の荷物になんぞ誰も興味ない。あるのは…!」
「ッ…──!」
シアンの両肩を男が押さえ付け、体重をかけられたシアンは机の上に仰向けに倒れた。
「興味があるのはコッチだけだ。なあ良いだろ?案内の礼に味見させろよ」
「…っ…強引ですね」
「はぁぁ…良い匂いまでしやがる…何の匂いだこれは?」
いとも容易くシアンの衣服を剥ぎ取った男は首筋に顔を埋め、荒々しく息をする。
将官と戯れる姿をただ見物させられ、我慢も限界だったのか。体温もやたらと高い。
鼻息荒くシアンの上に被さってきた。
「…っ…うるっさいな」
しかしここで、机がガタンと音を立てた拍子に、奥で寝ていた別の兵士を眠りから覚ましてしまう。
「ふあ~あ、ん?おいおい!そこで何してる?」
「ちっ…邪魔がはいった」
欠伸(アクビ)をして立ち上がったそいつは持っていた空器を床に捨て、シアン達に近付いた。
馬乗りの男とは反対側に回り込み、机に仰向けのシアンを赤い顔で覗き見る。
「いい女だな!どこで見つけた?」
「女じゃない男だ!今日はいったばかりの新人だ」
「お、男?…はあ?」
まだ酔いが抜けていないのか焦点の定まらない目が、信じられないと言いたげにシアンを見下ろす。
「男ー?んー、男ねえー?」
「邪魔するならさっさと持ち場に戻れっ」
「お前も仕事ほったらかしで遊んでるじゃないか。…んまぁ男だろうと女だろうと構わないか」
やはり酔っている。しまりのない顔でニタニタと笑う男は、勝手に自分の下衣を弛め始めた。
「酒をひっかけたせいで少し溜まっていてな。便所まで歩く手間がはぶけた。おい、口開けろや」
「は?ふざけるな!貴様の小便の臭いなんぞ嗅がされた日には、一瞬で萎えちまうだろう」
「……はぁ、うるさい奴だな。わかったわかった、小便のほうは我慢しといてやる」
「当たり前だ」
当人を無視して身勝手に言い争う。新たに加わった男は渋々ではあるが折れたらしい。
「こいつを連れてきたのは俺だからな?貴様は俺が遊んだ後にしろ!」
「ちぃっ…ケチ臭い」
その間にも男の手が身体中を這い回る。
そして露わなふたつの乳首に喉を鳴らすと、片方の突起に吸い付いた。
「…ッ…んふっ」
すると……それまで静かだったシアンの口から即座に声が漏れる。
「…ハァ…ん?なんだこいつ……」
「…ん‥ッ…」
「舐めただけで…?……ハァっ…はは、反応しやがる……!」
「…ッ」
白い胸板で尖る小さなふたつの実を、厚ぼったい唇がついばんでくる。
力任せにそうされても嫌悪が勝る筈なのだが、残念ながらシアンの身体は選り好みができる状態じゃない。
そうだ。今まで彼が相手にしてきた客も、大半が金だけ積んでたいした技量を持たない勘違い共だった。
そんな連中ばかりを相手にしてきた彼の中にはとっくにルールが完成していた。
触れられれば、感じる。
「…ッ─ァ‥‥!……ん…」
「あー……すっご……エロ……」
男は一気に愉しくなったようで、もう片方の尖りを指ではさんで引っ張る。力を入れて潰すようにひねりを加えた。
艶めく声に合わせ、強張る身体。反らした背中が机から浮き上がる。
桃色の突起を無骨な指でグリグリと弄ばれれば、──それが強引であればあるほど、彼の背中は大きくしなった。
「ァ‥ッッ‥」
「…………………」
下衣を弛めたままの酒飲み男は、シアンと──それに絡みつく男を傍観しながら、シアンの色っぽい反応に興奮していた。
「…っ…こいつやっぱり女なんじゃ…?」
そしてボソリと呟いたかと思うと、シアンに被さる男の肩を突き飛ばした。
「ッ…貴様まだ邪魔するのか!」
「いいからっ、胸ばっか吸ってないでお前は下を確認しろよ!こいつ胸が平べったいだけの女かもしれないだろ」
「んあっ?…そ、そうか…!?」
馬鹿なのか
酒臭い息を吹きかけられて痛くなりそうな頭で、シアンは思ったに違いない。
だが興奮状態の男達はシアンの呆れ顔に気付かず、残った衣服を脱がしにかかった。獲物を取り合ったり、急に意気投合してみせたり…忙しない連中だ。
胸を舐めていた男はその狙いを下半身に移し、局所に巻いた下着を解きだす。
シュルっ……
「‥‥ッッ」
シアンが半身を起こそうとすると、抵抗されると思ったのか、もう一方の男が両手で頭を持って机に押さえ付けた。
「早く見せろよっ早く!」
「わかってる」
「‥‥ッッ」
木の机に磔にされたシアンはされるがまま、二人の前で全てを剥ぎ取られた。
「…………………ぉ」
無駄な肉を削ぎ落とした長い肢体。女のような丸みは無く、だが、男のような固さも感じない。しなやかだ。
下生えすら処理された躰は神秘的とさえ思えて……
その中心に垂れた紛れもない男のシンボルが、よけいに厭らしさを増していた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 107