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1話 (2)
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「そんなこと無い。」
「雪也も一部の奴に好かれてるだろ。」
…僕が好かれてる?一部の人に?
物好きな人だなぁ(失礼)
しかし含みのある言い方が気になるから、不意に思わず聞いてしまった。
「一部の人って誰?」
「内緒。腹減った、早く食べようぜ。」
上手い具合に話を逸らされてしまった。
そんな風に言われたら、人間は余計気になる生き物なのに。
でもお腹は空いていたし、傑の言葉に素直に従った。
屋上に着き、いつもの特等席に腰をかけた。
7月の上旬頃だから、太陽の陽射しは眩しく少し暑いが、屋上は風に吹かれるから気持ちいい。
セミの鳴き声がけたたましく続いている。
お弁当箱を開き、自分で作った卵焼きを口に運ぼうとすると、すかさず傑がキラキラとした目でこう言った。
「あ、雪也。卵焼き欲しい!」
傑は卵焼きが好きなのか、毎日1つは僕のお弁当から消える。
「卵焼き? 仕方無いなぁ。」
嬉しく思いながら僕は、上手く焼けた卵焼きを渡した。
美味しそうに頬張る姿を見て、こっちも食欲が湧く。
「ありがと!雪也の卵焼き美味しいんだよな。」
「ちゃんと噛んでね?」
それにしてもよく食べるなぁ。
僕は少食気味だから、よく食べる傑を見て凄いなと思う。
なのに傑は全然太らなくて、程良い筋肉が男らしさを主張している。
僕なんか筋肉なんて一つも無いのに。
筋トレしてみようかな?
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