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2話 突然の訪問
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やっと授業が終わり、荷物を纏めて帰ろうとしていた時だった。
何やら話し声が聞こえ、気になってそっと廊下を覗いた。
好奇心で見てみたら、なんとスパダリ族2人の傑と涼が廊下で話していた。
幼少期の頃から一緒に遊んでいる速水涼。
涼は、傑とは真反対な系統で、金糸を編んだような金髪に澄んだ海のような碧眼で、要約すると言わずもがなイケメンでモテる。
傑と並んで熱狂的なファンが多いことは明らかだ。
2人が並んでいると、たちまち周りに花が飛んでいるかのように美しい。
幸い、僕は死角でバレていないみたいだ。
どんなことを話しているのだろう?
こっそり聞き耳を立ててしまった。
「雪也って、」
え、僕?
自分の名前を呼ばれ、ドキリと心臓が跳ねる。
どんな話か想像もできず、そこから立ち退けずに終始2人の姿を見届けようと決心した。
「可愛いよね。」
!?可愛い?僕が?
涼がそんなことを思っているなんて知らなかった。
そんな素振りは今まで一度も見せてなかったのに。
嬉しいやら恥ずかしいやらで複雑な気持ちが入り交じった。
傑はこんなぶっ飛んだ話を聞いて、どう思っているのだろう。
死角で表情が見えない。
少なくとも僕は平静を装えない。
「そうか?」
やっぱり、何とも思われてないのかな。
仲の良い幼なじみとしてしか見られてないのだろう。
改めてそんなことを思うとチクッと胸が痛む。
だめだ、隠し通すんだと決めたんだから。
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