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2話(2)
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しかし突然話が急に熱を持ち出した。
「あの白い太ももとか触りたくなる。」
涼に性的な目で見られていると知ると、少し怖く感じてしまう。
傑に負けない程のスパダリ涼が、僕に対して生々しい感情を抱いていたなんて。
けれど自分だって傑に対して好意を抱いているのに一緒じゃないか。
どうしようもできない感情に襲われ、きゅっと唇を噤む。
足が竦んでその場から動けなくなった時、やっと傑の声が聞こえてきた。
「可愛いのは分かる。」
へ? 可愛い?
傑が、僕のこと可愛いって。
何それ!?
神様 仏様 女神様、傑は何と仰いましたか?
「いじめてやるなよ。」
この耳で確かにはっきりと聞いた。
だけど、期待をさせないでほしい。
有頂天だった気持ちが一瞬で消えてしまった。
だって傑は女の子が好きなんだから。
事実を受け止めたくないけど、彼は何人もの女の子と付き合って別れてを繰り返している。
とにかく男である僕は、彼の特別枠には入れない。
悲観的になって息を潜めて待っていると、話が終わったのか二人は帰るようだ。
僕は慌ててすぐに2人の背中を追いかけ、何も聞いていなかったかのように笑う。
「今日も暑いよね!」
「わかる、ねえ雪也。」
真っ直ぐ涼に見つめられる。
その瞳はいつにも増して真剣さを含んでいて、ひき込まれそうになった。
涼に限って珍しい。
「どうしたの?涼。」
「今日雪也の家行くから。じゃあね。」
「え、ちょっ!?涼〜!?」
片付けも何もしてないのに、急いで帰らなくちゃ。
けどあんな真剣な眼差しの涼は初めて見る。
きっと大切な話があるのだろう。
僕は薄々感じとっていた。
「ごめん傑、また!」
「雪也、」
何が起きたか飲み込めてない傑を尻目に、僕は全速力で走って自宅に戻る。
傑がどんな顔で僕を見つめていたかも知らずに。
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