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2話(3)
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インターフォンの軽快な音が聞こえた。
まずい、心の準備が出来ていないのに。
片付けの最中だったが、どうしようもないので涼を招くことにした。
ドアを開けると、満面の笑みを浮かべている涼が立っていた。
手入れが行き届いた艶のある赤い髪が光を反射して、キラキラと輝いている。
うわあっ笑顔も髪も眩しいよ!
「上がって!」
僕はいつもと雰囲気が違う涼を案内した。
涼を招き入れることは初めてだから、それも相まって緊張する。
なんなら傑以外を通したことが無いと言っても過言ではない。
「ごめん、迷惑だった?」
「全然大丈夫、お茶用意するね!」
僕は何とか顔に出さないように、涼と目を合わせることリビングへ向かう。
津城家特製のお茶をカップに注ぎながら、先程の学校での会話を振り返る。
涼は僕で何を想像していたのか、ひと目でわかる会話だった。
真っ赤な顔で僕のことを話す姿は、まるで僕が傑に恋をしているようなものとよく似ていた。
ーーーまさか、勘違いだよね。
いくらなんでも都合が良すぎる話だ。
それに僕が好きな相手は傑であって、もし涼から告白を受けたとしても、多分断るだろう。
そうやって自分に言い聞かせ、涼の好きな甘いお菓子を添えて、僕は涼が待ち受ける部屋へと移動した。
「お待たせ。」
「ありがとう雪也。」
涼はカップを手に取りお茶を一気に飲み干した。
男性特有の喉仏が、上下に動いている。
同性なのに、なんでこんなにも逞しいんだろう。
少し嫉妬すら覚える。
「雪也、あのさ。」
突然声をかけられ、驚きのあまりビクッと肩が大袈裟に揺れてしまう。
今度は、ものすごく神妙な顔つきをしている涼と、ちゃんと目を合わせた。
「何?」
ゴクリと生唾を飲み込む音が隣で聞こえる。
どんなことを言われるんだろう。
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