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◆12
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大学卒業後、ヤスヒコは当然、スルガの関連会社へと就職した。
おこぼれでシュウヘイもそこへ就職した事になっているが、事実は違った。
単に親にそう伝えているだけで、妙な表現ではあるが、本格的にヤスヒコに飼われる様になったのである。
日用品や食料の買い出しになどは出掛けるが、それ以外の外出は全くしなくなった。
恐らくヤスヒコへの実家からの援助はもうないはずだ。
それならば、自らも働いて家計を支えた方が良いのではないかと思うが、ヤスヒコはそれを許さなかった。
曰く、家賃が無いので問題ないそうだ。
その言葉だけで安心出来る図々しさが自分にもあれば…とシュウヘイは思う。
しかし、始めから気後れしている関係だった。
今更、開き直れる筈もなく、極力、自らに掛かるお金を削っていった。
夕飯はヤスヒコの為にシュウヘイが作り、共にはするがそれ以外は殆ど何も口にしなくなった。
元々肉付きが良い方ではないので、シュウヘイはどんどん痩せていったのは言うまでもない。
毎日見ていると、意外と少しずつ細っていく見た目には気づけないかも知れないが、抱けばその感触の違いに気付く。
「痩せた?」
「え?そうかな?全く外に出てないから、筋肉が落ちただけかも…」
そんなやり取りを何度か繰り返したある日、仰向けのヤスヒコにシュウヘイが馬乗りになりながら交わっていた時に事は起こった。
前のめりに身体を揺らすシュウヘイの首にヤスヒコが手を掛けた。
「痩せた?」
「へ?……んぁ……んん…」
自らいい処に当たるように擦りつけていた最中だったからか、快感に夢中で「わかんない」。とシュウヘイはややおざなりに答えてしまった。
喘ぎのついでに放たれた言葉を合図に首に掛けられた手に力が籠る。
シュウヘイは訳もわからず、快感ではなく混乱に喘ぎ、本能的に逃げなくてはと思ったが、下からも激しく追い詰められてとてもまともに考えられる状態では無くなってしまった。
はっ、はっと短い息を繰り返し、ヤスヒコが射精するよりも早く、今までにないくらいの激しい絶頂を迎えたのだった。
痙攣し倒れこもうとする身体を、首だけで支えられ、意識が朦朧としてくる。
それでも突き上げる腰は止まらず、シュウヘイが意識を飛ばすほんの手前で、なんとかヤスヒコが射精し、解放に至った。
息が整った後も、お互いにそのことは話さなかった。
それ以降、ヤスヒコはシュウヘイに「痩せた?」とは聞かなくなった。
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