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◆14
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偶然にもそれが一回目の放送だったらしい。
ヤスヒコ自体、排泄行為には性的興奮よりも嫌悪感が強かった。
もし今後も排泄の中継と言った趣向で放送があれば継続的に見ることはしないだろう。
だが、もう一度くらいは見てみたいと言う気持ちはあった。
そこに性的な興味が全くないとは言えない。
椅子に拘束された男の雰囲気がどこかシュウヘイに似ていたことと、排泄行為自体への興奮は無くても、それを堪える顔や拘束といった行為には興味がある。
しかし、それは飽くまで"興味"の範疇を越えず、画面の中で繰り広げられる事に対しての性的興奮は少なかった。
視聴中も視聴後も、ヤスヒコの身体が性的な反応を起こすことはなかったし、その晩、二人の性交渉が盛り上がったなどと言うこともないのが事実だ。
それでも、次回放送があれば通知が来るように設定してしまったのは、なにか引っかかる点があったからだった。
たまたまヤスヒコと放送主と生活リズムが合っているのか、二回目、三回目とリアルタイムで放送を視聴することができた。
やはりヤスヒコの趣味ではなく、思わず眉を顰めたくなる内容ではあったし、隣で見ていたシュウヘイもあまり良い顔はしていなかった。
いくら愛し合ってるとは言えど、あれは出来ないよな…と目で確認しあったのを覚えている。
そこまで思うのに、視聴をやめないのは毎回来ては卑猥なコメントを残していく人々のように非現実的な刺激に味を占めたわけでは無く、ひっかかりの応えが出なかったからだ。
いや——実際は、薄々気づいていたのかも知れないが、確信が持てなかった。
もちろん、道具を使用した行為や、物理的に射精を食い止めて連続で空イキさせるなど、少し試してみたいと思うものも中にはあった。
だが、それをされる時の男の苦しそうな顔をみていると気が引けたし、隣で自分の事のように辛そうな顔をしているシュウヘイを見ているとしてみたいと思うこと自体、気が引けた。
当初より椅子に縛られている男はガムテープで口を塞がれているが、それも飽くまで行為の一貫であり、顔を隠す気はない様子だった。
一度インターネット上に顔を晒してしまえば、恐らく世界中に広がり、下手したら本人が死んだ後もその映像だけは残るのだろう。
煽り文句として、放送主自身がそう発言している。
確信犯なのだ。
これが同意の上とは思い難い。
だが、もし同意の上でなければ警察沙汰だ。
ヤスヒコの不安を煽るかの様に、暫く放送がなくなった時期があった。
倫理上の問題は数え切れない程あるだろう。
本当に警察沙汰にならなかったとしても、単純にアカウント自体が強制消滅したのかも知れない。
恐らくそれならそれで仕方ないと諦めている視聴者が大半の中、ヤスヒコは未だ諦められずにいた。
そんなヤスヒコの願いが届いたのか、その翌日に生放送があった。
その内容は、ヤスヒコの疑問に応えるには充分な内容だった。
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