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夏
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「あの…」
「…?なに?」
授業が始まる前にくりっとした大きな瞳で俺を少し申し訳なさそうに見つめながら声をかけられた。
「あの…僕まだ教科書とかなくて…その……」
「あー、いいよ。一緒に見ようか。」
ハッキリは言わないが大体察して提案をした。
わかってやってるのかは知らないけど、上目遣いであざとい…
「あ、ありがとっ」
……なんだこいつ。
ただ教科書を見せてあげるだけなのに
こんな嬉しそうな顔をして。
綺麗な顔がよりキラキラして見えた。
授業が始まっても俺は未だに
こいつは女の子なんじゃないかと疑っていた。
しっかり喋れてはいるし、多分日本人なんだとは思う…。
でも金髪で目鼻立ちもハッキリしているし、目の色も黒では無い。
それに肌も白い。
もしかしたら日本で育った外国人なのかも?
…それにしてもこの見た目でこの身長。
どう考えても女の子だろ…。
「あの……僕の顔に何かついてる…?」
「いや、何もついてないけどさ。」
「そ、そう…?それならよかった…」
「まぁなんだ…これからよろしく。」
「うん!よろしく!」
ま、明日はプール授業があるし男だって確認できるだろ。
周りの奴らは皆、本当に男なのかと休み時間の度に鳴砂に質問していた。
その質問をされる度、鳴砂は男だと言う。
何度も同じ質問をされて、さすがに可哀想だなと思った。
まぁ訊きたくなる気持ちはわからんでもないんだけど。
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