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克服
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放課後。
今日のプール授業で鳴砂が長い間、プールに入らず暑い中見学していたことが気になり
どうにか入るだけでもできないか考えていた。
それになんとなく、鳴砂が水の中に入っている姿を見てみたかった。
きっと綺麗だろうな。
あんな暑い中ずっと見てるだけなんて辛いだろうし…
俺ならだるくて帰るレベル。
「なぁ、鳴砂。」
「なに?」
他のクラスメイトは殆ど帰っていなくなっていた。
そんな中、俺はまだ教室に残っていた鳴砂に声をかけた。
きょとんと大きな目が俺を見つめた。
「プールに少しでも入れるようにしない?」
「えっ、やだよ…」
「いいから、足だけでも…さ」
俺は昔から少しお節介なところがある。
それは自分でもわかってるし
後々考えると少し後悔もする。
嫌がる鳴砂をプールまで引っ張っていった。
お節介もそうだが、それ以上に何故か無性に水に入る姿を見たくなった。
「少しずつでも慣れれば大丈夫だって。」
「ほ、ほんとにやだってば!」
誰もいないプールサイド。
か細い鳴砂の声が響く。
「暑いのにずっと見学なんてしんどいって!足つけとくくらいできるだろ?その方が楽じゃん!」
「僕はほんとに大丈夫だから!やだ…っ!!」
「わっ!?」
なんでこんな無理強いしようとしてるのか…
どうにか足だけでも鳴砂をプールに入れようとしたとき
バランスを崩して、俺の方がプールに落ちてしまった。
「ぶはっ!!」
「だ、大丈夫!?」
「や、やばっ!!」
足つった!!
思うように足が動かない!それに痛い!!
やっばい、俺ピンチかも!?
上手く足が動かず、体がプールの底へ沈んでいく。
やばい…
まじでやばい……
このままだと俺…
死ぬっ!!
上を見ると鳴砂の影が見えた。
や…ば……息が…苦し…
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