アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
同棲?
-
「とりあえず…服買いに行こうか。あと海藻。」
「あ、でも僕まだお金ないから…」
「いいよ。俺バイトしてるし、貯金もあるし。」
「でも…悪いよ…」
「気にしないで。あと、鳴砂は働かなくていいから。」
「え!?だめだよ!ちゃんと働く!」
「いいから。ここに住むならそれが条件ね。」
「うぅん……」
だって、いつ水がかかるかわからないし
雨降ったりとかもするし…
正体がバレちゃまずいでしょ。
「ほら、行くよ。」
「は、はい…」
仕送りもあるし
バイトもしてるし、貯金もあるし
学費も家賃も有難いことに親が払ってくれてるから
お金には困ってない。
1人くらいなら何とかなる。
鳴砂を引き連れ近くのショッピングモールに行く。
色んなテナントが入っているし、必要なものは大体揃う。
「まず服ね。どんなのがいい?」
「今まで服とか着なかったし…特にこだわりはないんだけど…。あ、これ可愛い!」
「あの…それ女性用ね…。」
「そうなの?なんかふわふわしてて触り心地も良さそう♪」
そう言って見ているのは
レースのフリルがついた淡い水色のワンピース。
「似合うとは思うけどさ…一応男でしょ?」
「うーん…これはだめかぁ。んー…よくわからないからおまかせにする!」
「おまかせって…まぁわかった。テキトーに買うね。」
「ごめんね…ありがとう…」
お金の心配をしているのか
物凄く申し訳なさそうに、少しうつむきながらお礼を言う鳴砂。
「こんなところかな?」
「ふぇ〜……」
何着も試着をさせ、買うものは決まった。
試着に疲れたのか少しげっそりしている。
この身長だからね…選ぶの大変だよ…ほんと。
顔も女の子みたいだし。
レジへ向かい会計を済ませる。
「ありがとっ!いつかちゃんと返すから!」
「いいよべつに。」
あとは何がいるかな…
歯ブラシと…水で戻せる海藻もたくさん買って…んー…
「とりあえず歯ブラシ買おう。」
「歯ブラシ…?」
「まぁ使い方は帰ったら教えるから。あ、ついでに俺も新しく買い換えよ…」
「はぁい。」
1階はスーパーだし、多分そこで売ってるでしょ。
あ、あった。
「あ、これがいい!」
「これね。」
選んだのはごく普通の歯ブラシ。
持ち手のところが色付きだけど透明になってる。
「どの色がいい?」
「えっと…僕がこの緑で…こっちの青が太地くん!」
「え、同じのにするの?」
色は違うけど同じ歯ブラシ。
これって…
「色違いのお揃い!」
「お揃いねぇ…ま、いっか。」
まさか人生初のお揃いが男となんて思いもしなかったけど、まぁ…悪い気はしないのが不思議。
「あとは海藻…っと」
「海藻!…こんなに買うの?ちょっとでいいよ…?」
「これは水でふやかして食べるやつだから日持ちするし、我慢しないで好きなだけ食べてよ。」
「で、でも…」
「安いし気にしないで。」
「うん……ありがとう。」
なんだか腑に落ちてないような顔。
ほんと気にしなくていいのに。
「あとなんか必要なものあったかな…」
「ん〜…」
一生懸命考えてるみたいだけど
陸の生活がわからないんでしょ?
考えて意味あるのかな…?なんて鳴砂の姿を見ながらクスッと笑う。
純粋で綺麗だと思った。
「あ、パジャマ買ってなかった。あとパンツ。」
「パジャマ!先生が着てた!」
えっと…ここは…
あった!
パンツのサイズはS…?
鳴砂小さいし…SSとかないのかな…?
まぁ…仕方ない。無さそうだからSを買おう。
色々声には出さずに脳内で考える。
パジャマは…
「パジャマって寝る時に着るやつだよね?」
「そうそう。」
担任が着てたって言ってたけど
あのチャラい感じの先生が着てるパジャマって…なんだろ?
スウェットかなんか?
それだとパジャマというより部屋着って感じな気もするけど…
「これ可愛いし、ふわふわで気持ちいー!♪」
「だから…女性用だって……それ…」
なんでこう…女性ものばっかり選ぶかな…
確かに生地は気持ちいいけど…
コットン生地のパステルピンクでふわふわのワンピースタイプの部屋着…
「お部屋の中だけで着るんでしょ?」
「まぁ…そうだけど…」
「じゃあ僕これがいいっ!」
自分がいいと思うものをハッキリ言ってくれるのはありがたい。
こんなんでいいのかって、こっちが考えずに済むし
自分の意見をちゃんと持ってるのはいいと思う。
助かる。
けど…なんで女性のものばかり好むのか…
さっぱりわからない。
海では男女の概念がないわけじゃないよね?
「はいはい…じゃあこれにしよう。」
「やったぁ♪」
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ鳴砂を見ながら
再びレジへ向かい会計を済ませる。
そしてそこそこ大量の荷物を持ち、帰り始めた。
「僕も持つよ!」
「え、じゃあ…君の食料持って。」
「はぁい♪海藻〜♪……う゛っ…」
「ん?どした?」
「お、重…い……」
嘘でしょ!?
たかが海藻だよ!?
しかも乾燥してる…
歯ブラシ2本も入ってるけど…
よくそんなんでペットボトル片手で持てるなぁ…基準がわからん……。
「…いいよ、俺が持つから。」
なんだか面白くて、ついまた笑ってしまう。
「大丈夫っ!これくらい!持てるからっ!!」
「無理しないでね」
うんっ!と返事をしながら袋を持ち歩く。
返事はいいんだけどね…
軽い袋をそんなに重そうに持ってる人なんて初めて見た。
水中だと浮力があるから
筋肉とかあんまいらないのかな?
無事家に着き、買ってきたものを片付ける。
「ほんとごめんね…ありがとう。絶対返すから待っててね!」
「いいって、これくらい。」
「ううん!だめだよ!お金は大切なんだから!海でもそうだもん!」
「わ、わかったわかった…。」
海でもお金があるんだね…何買うんだろ?
魚……なわけないし。
海藻……?
わからん!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 17