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piacere 2
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「ここで、合ってますか!!」
アルロ : 「あ、ああ…うん…、」
男性に担いでもらいながら無事
アルロは自宅に着く
「す、座ろう!座らないとね!!ああっ!」
アルロ : 「い”って”ぇ…!!! 笑」
男性は部屋の段差につまずき
アルロを思いっきり背負い投げするように
ソファに叩きつけてしまう
「ぁああっ”…、ごめん!ごめんなさい!!…;;;」
男性はアルロを心配し手を伸ばす
アルロ : 「お前なぁ…っ、笑 ぶっ飛ばすぞ!!」
「グッ!」
「ぃ”っ…!!…」
アルロはその手を思いっきり
鷲掴み力を入れた
金持ちのボンボン野郎が
気分が悪い
ちょっとビビらせたら尻もちでもついて
帰るんじゃね?
「ごめんなさいっ、でも手当はしようよ!!
すごく、痛そうだから…、っ」
アルロ : 「っ、、」
アルロは彼の言葉に自然と手が緩む
「まず、鼻にティッシュ入れる!!
鼻血凄いから!!はい!!」
アルロ : 「え、あぁ…、」
なんなんだこいつ…
まじ…へんなやつ…
「僕はロビンって言います。君は?」
アルロ : 「ああ…アルロ…」
ロビン : 「じゃあ、アルロ!
ちょっと我慢してね!消毒しますからね!」
アルロ : 「え?、は?」
ロビンは話しながら綿に消毒液を浸し
アルロの口元に近づける
ロビン : 「我慢ですよー!!」
「ピトッ」
アルロ : 「い”って”ぇえええ!!!!!!…..」
ロビン : 「動かないでー!!!!!」
__________________________________________
ロビン : 「よし、出来た!お疲れ様!」
アルロ : 「はぁ…っ、は、お前、もっと
優しくできねーのかよ…、笑」
ロビン : 「え?優しくしたつもりなんだけど。笑
でも!大事に至らなくて良かったですね!」
アルロ : 「いや、まあ…いつもの事だから…
べつに…笑」
ロビン : 「いつものこと!? アルロはいつも
こんな目に遭ってるの!?」
アルロ : 「俺はクズだから。いいんだよ。」
ロビン : 「っ!、、」
アルロの言葉にロビンは
目を丸くして驚いていた
ロビン : 「なんでそんな事言うの!?
アルロはクズなんかじゃないよ!」
アルロ : 「は?」
ロビンは肩に力を入れ両手の拳を
強く握りながらアルロに言った
こいつ…
マジもんのバカか…笑
ちょっと笑っちまうんだけど…
アルロ : 「お前は何も知らないだろ。笑」
ロビン : 「知らないよ、知らないですけど、、」
ロビンは床に膝を着いて
ソファに座るアルロと目線を合わせる
ロビン : 「怪我までする必要は、ないでしょ?」
「すっ、」
アルロ : 「っ…、!」
ロビンは悲しい顔をしながら
アルロの頬に優しく触れる
ロビン : 「喧嘩はしちゃダメ!分かった?
綺麗な顔が台無しだよ!」
彼の顔が少し近づいた時
心做しか
心臓が跳ねるような気がした
アルロ : 「っせーな、離せ。」
ロビン : 「あ、」
アルロはその感情から逃げるように
ロビンの手を振り払った
ロビン : 「へへ、笑」
アルロ : 「、、、」
アルロ : (なんだこいつ、ヘラヘラしやがって、
まるでダメージ食らってねぇな…)
ロビン : 「じゃあ僕は帰ります!」
アルロ : 「あ?」
ロビン : 「明日早いので!」
アルロ : 「知るかよ笑」
ロビン : 「では!お邪魔しました!」
ロビンはそう言うと荷物を持って
玄関へと歩いていく
こいつただの人がいいバカなのか…?
いや…でも…
まじでバカだとしたら…、、、
アルロ : 「なあ、ロンビだっけ?」
ロビン : 「ロビンです!!」
玄関先でアルロはロビンに声をかける
アルロ : 「あー、ロビンね、あのさ、」
ロビン : 「何ですか?」
アルロ : 「金くんない?」
ロビン : 「へ?…」
ロビンはアルロの顔を見て固まってしまう
分かってた
分かりすぎるくらい
自分が一番バカでクズだってことは
ロビン : 「お金って…、」
アルロ : 「あ〜、いやいや何でもねーよ、笑」
さすがに金貸すほどバカじゃねぇよな…笑
ロビン : 「いくらいりますか?」
アルロ : 「は?」
ロビン : 「いくらくらい欲しいですか?」
ロビンはそう聞きながら自分の財布を
手に取りお札を探り出す
アルロ : 「は、いや、お前、バカか?」
ロビン : 「あ〜、今対して入ってなかった…、
とりあえずこれ!はい!」
「バサ、」
アルロ : 「っ、、!?」
ロビン : 「え?どうしたんです?」
ロビンが財布から出した額は5万円
その額にアルロは空いた口が塞がらない
アルロ : 「いや、いやいやいや…、、
まじ、か、、笑」
あまりの衝撃にアルロは躊躇する所か
頭が混乱してしまう
アルロ : (こいつ、まじもんの金持ちボンボン
野郎じゃねぇーかよ、、、
ロビン : 「いらないのー?」
アルロ : 「ああ?!」
ロビン : 「困ってるんでしょ?」
アルロ : 「っ、」
そう言いながらロビンはアルロの目を
心配そうに覗き込む
ありえねぇ
俺は赤の他人だぞ
ロビン : 「はい!」
アルロ : 「え、」
ロビン : 「僕帰ります!」
アルロ : 「お、おい、おまっ」
ロビン : 「アルロ、またどこかで!
それから、お大事に!」
アルロ : 「!、、」
ロビンは急ぐようにアルロの家の
ドアを開け出ていってしまった
アルロはしばらく玄関前で
放心状態になっていた
アルロ : 「やべー、おれ、、」
「”儲かっちまった”」
__________________________________________
数日後
アルロ : 「かぁ~~~zZz…」
アルロは自宅近くのカフェバーで
昼寝をかましていた
「ぺしっ!」
アルロ : 「あ”っ!ってぇな、何すんだ、」
「いつまで寝てるんだ?もう昼だぞ?笑」
アルロ : 「ぁあ…、いつまでも〜、」
「クソニートが笑 」
アルロ : 「ニートだもん。」
アルロの額を叩き起こしてきたのは
ここのカフェの店主のろくさんだった
ろく : 「お、始まった!」
アルロ : 「?」
ろくは仕事の作業を一旦止めて
テレビに注目する
アルロ : 「なに?ニュース?」
ろく : 「クラシックコンクールの予選だよ。」
アルロ : 「コンクールだ?んだそれ。」
ろく : 「お前知らないのかー?クラシックは
知っといた方がいいぞー?」
アルロ : 「知るも何も、興味ねーし、笑
コーヒーおかわり〜。」
ろく : 「はぁ、本当にお前は、
一生ギャンブルバカでいた方がマシだな。笑」
ろくがアルロのコーヒーを入れながらぼやく
アルロ : 「うっせ、いーんだよ。笑」
ろく : 「あぁ!出た!王子!!」
アルロ : 「はぁ…、」
【今年も国際ヴァイオリンコンクール予選大会、
見事に一位通過を決めたのは、
ベルナルド • ロビンさんでした!!】
ろく : 「やっぱりなー!ロビンかー!
これは本選が期待されるぞー!」
アルロ : 「…、?」
ろくと一緒にアルロもしぶしぶ
テレビに目を向ける
アルロ : 「…ん?」
よく見ると
どこか見覚えがあるような気がして
アルロはさらにテレビに近づく
ろく : 「ほらー、見てみろよーお前もー!
めっちゃ王子様みたいだろー?」
アルロ : 「ぶふぉッ!!!!」
アルロは思いっきりコーヒーを
口から吹き出す
ろく : 「おい!?アルロ!何してんだ!
汚えな!!拭け!!…;;;」
思い出した…
アルロ : 「げほ、げほっ!こいつ、、
あのボンボンか!!」
ろく : 「は?」
アルロ : 「俺、この間…喧嘩して怪我して
道でへばってたら…こいつに助けられてさ、」
ろく : 「お前、何変なこと言ってんだ?
そんな訳ないだろ、笑」
アルロ : 「マジだって、ついでに…
金ももらった。」
ろく : 「はぁああ!?」
「ガシャンッ」
アルロの衝撃的発言にカフェ内に騒音が響き渡る
ろく : 「おまっ、それ本当なのか!?」
アルロ : 「うん。」
ろく : 「やべーぞ!それ!!」
アルロ : 「って言われても、何が?」
ろく : 「バカか!!ロビンさんは世界的に
有名なヴァイオリ二ストだぞっ!!」
そう言いながらろくさんは
アルロの頭を引っぱたく
アルロ : 「い”て”、知らねーよんな、
なんちゃらリストとか言われてもっ、;;;」
ろく : 「なんてことだ…!ってことは、、
ロビンさんは今イタリアに!?!?
いるのか!いるのかアルロ!!!」
アルロ : 「~~~~っ知らねーよ!んなの! 」
ろく : 「探してこい!!そんで頭下げて
金返して来い!!」
アルロ : 「は!?探すって無理だろ!?
知らねーよっ笑、いやだ〜笑」
ろく : 「”アルロ”…?」
アルロ : 「ぅ”、、…、」
ろくさんが札束をぶら下げながら
睨みつけるようにアルロを見つめてくる
アルロ : 「ぁあ”っ!どいつもこいつも!!
マジうぜーーっ!!」
__________________________________________
さらに数日後
友人 : 「おっしゃー!今日は儲かったなー!
アルロは?」
アルロ : 「まあまあだな。これで飯でも
食おっかな〜。笑」
あれから暇な日にアルロは
街に出て彼の居そうな場所をあたってみたが
連絡先も知らない人にすぐに出会えるはずもなく
日々が過ぎていた
友人 : 「俺もういっちょ打ってくっかな〜!」
アルロ : 「あ〜、俺はやめとく。」
友人 : 「は?つまんね〜な、まだ行けんだろ。笑」
アルロ : 「ど〜すっかなぁ〜。笑」
「ア〜ルロ♡」
アルロ : 「あ?」
女 : 「またスロットしてるの〜?」
アルロ : 「ああ、まあな。」
アルロの横に一人の女性が現れる
女 : 「ねえ、今からホテル、行こ〜よ〜♡」
アルロ : 「あー、ちょっと待って、
もう終わるから。」
そう
こいつは
俺のセフレの女
女 : 「じゃあ外で待ってる♡」
アルロ : 「ん。」
「ちゅ、」
何人目かも知らない
この女に他の男がいるのかも
知らない
ただの欲求満たしってやつだ
アルロ : 「じゃあ、そういうことだから、
俺は抜けるわ〜。」
友人 : 「クソッ、モテる野郎は
楽しくていいよな!笑」
アルロ : 「お前も作ればいいじゃん、笑
じゃあな〜。」
アルロは歩きながら友人に手を降って
バーを後にした
__________________________________________
女 : 「ねぇ、アルロ〜?」
アルロ : 「あ?なに。」
女 : 「私って〜アルロの彼女?」
アルロ : 「は?何言ってんの?
なわけねえだろ、お前彼氏いんだろ。笑」
女 : 「え〜、なんか悲しいなぁ〜♡」
アルロ : 「だる。笑」
女が横で寝ている隣でアルロは煙草を吸う
女 : 「じゃあ〜、アルロは本当に好きな人、
いないの〜?」
アルロ : 「いねー。」
女 : 「ふ〜ん。じゃあもし私の彼氏に
バレたらどうすんの〜?」
アルロ : 「知らねーよ、お前と彼氏の間に
挟むんじゃねーよ笑」
女 : 「えっへへ、アルロ冷たい〜♡笑」
めんどくさい
まともな恋愛ってなんなんだ?
好きってなんなんだ?
俺には分からない
ていうか分からなくていい
好きとか嫌いとか愛してるとか
そういうのはダルすぎる
ただ自分が欲を満たしたい時に
それを満たせる存在が
“その時だけいればそれでいい”
女 : 「アルロ、また会ってよね?」
アルロ : 「知らね。」
だから俺は
約束もしない
__________________________________________
アルロ : (まさか…あいつがそんなすげー奴だった
なんて知らなかったな…
(ろくがイタリアにいるって言ってたけど
本当はどこから来たんだ…?
(イタリアじゃねーなら母国に
帰っちまったんじゃね?…
女といた間もなぜかアルロは
ロビンの存在が気になって一人考えていた
「アルロ!よろしく!」
茶髪の髪に緑の瞳…
一瞬目があったとき
吸い込まれそうになった記憶がある
見つめられると
少し胸がザワつくような感覚だった…
女 : 「ねぇアルロ?聞いてる〜?」
アルロ : 「あ、わり、何?」
女 : 「も〜♡笑」
アルロは女と寝た後
自宅近くまで送るために夜のギャンブル街を
二人で歩いていた
アルロ : (まあ、こんな場所にいる訳ねーか、
男組 : 「なあ…、いいだろ?お兄ちゃんよ〜笑」
「こ、困りますっ…;;; 」
アルロ : 「?…、」
女を送る途中、一人の男性が
数人の男組に絡まれているのを発見する
女 : 「げ、なに喧嘩〜?」
アルロ : 「カツアゲじゃね? 可哀想に笑」
男組 : 「お兄さんさー、金持ちそうじゃん?
何それ、楽器ー?」
「ごめんなさい、どいて、くださいっ、…;;
急いでいるので…、」
男組 : 「見してよー!」
「やめてくださいっ!」
「グイッ」
彼は抵抗し、男の胸を押し返す
男 : 「い”って…、おい、何すんだよっ!」
「グッ!」
「!!!っ、、、」
「ドサッ」
男組の一人に思いっきり肩を押され
男性は床に手を付き倒れ込む
アルロ : (あーあ…、こりゃやばそうだ…n、
アルロがチラッと男性を見た時だった
ロビン : 「い”…、っ、」
アルロ : 「っ!!…、」
その男性はロビンだった
なんとなく
やばい気がした
アイツだって分かった瞬間
俺の頭の中はもう
アイツのことしか考えられなくなっていた
アルロ : 「悪い。こっからは一人で帰って。」
女 : 「え!?何で?」
アルロ : 「帰れんだろ?」
女 : 「何でよ〜!もうちょっと、」
アルロ : 「用事あんだよ。」
「パシッ」
女 : 「っ!」
アルロは引っ張ってくる女の手を振り払い
ロビンの元へ向かって行った
女 : 「もう!アルロのバカー!!!!」
__________________________________________
男組 : 「こんなもんぶら下げてよ〜、
金持ち気取りか?あぁ”!?」
男はヴァイオリンケースを片手に持ち
ロビンを見下ろす
ロビン : 「っ、!!それはダメ!!
触らないで!!…;;; 」
だめだ…怖い…っ、
どうしよう…、、
誰か…、、
助けを呼ばなきゃ
男組 : 「こんなもん一瞬で…、ん”がっ!!!、っ、」
「ドサッ」
ロビン : 「え?…、」
もうダメかもしれない
そう諦めた瞬間
誰かが後ろから男の股間を
思いっきり蹴りあげたのだ
さっきまで立っていた男はいきなり
目の前に倒れ込み意識を失った
男組 : 「っ!だれだ!?」
アルロ : 「あれ?死んだ?」
ロビン : 「っ!!!!…、、」
男組 : 「アルロ!?、、;;; 」
ロビンの目に映り込む男の姿
締まった体
長い前髪
透き通った青い瞳
覚えている
“彼はアルロだ”
アルロ : 「こいつ、俺の遊び相手なんだよなぁ。」
男組 : 「っ!、、」
アルロ : 「取んないでくれっかなぁ…?」
男組 : 「っ…;;; 」
殺気立った目でアルロな男組を見ると
男組たちは一瞬に顔色を変えた
男組 : 「っ、チッ…、いくぞ、、」
男たちはアルロを見るなり
足早にその場を去っていった
ロビン : 「っ!、、」
アルロ : 「大丈夫か?立てる?」
ロビン : 「アルロ!?」
アルロ : 「えーっと、、、」
ロビン : 「ロビンだよ!」
アルロ : 「あー、ロビン、ロビンだ。笑
つーかここ、危ねーからこっち来て。」
ロビン : 「え?、あ!…」
アルロはロビンの腕を掴み
人気の少ない路地の方へと歩き出す
アルロ : 「何で、こんな場所にいんだ?」
ロビン : 「え?」
アルロ : 「危ねーだろ。」
ロビン : 「ああ…、練習帰りにどうしても
ここを通らないと行けなくて、笑」
アルロ : 「ぁあ…、なんだっけ、お前、
えーっと、なんちゃらリストなんだっけ?」
ロビン : 「なんちゃら?」
アルロ : 「あー、えっとそれ、ヴァイオリン
だっけ?」
ロビン : 「あ!うん!ヴァイオリン!!
そうだよ!」
アルロ : 「あー、ヴァイオリ二ストだ。それだ。
なんか、有名なんだろ?お前って。」
ロビン : 「いや、有名だなんてそんな…笑」
アルロ : 「ほら、これ。」
アルロは男から奪い返した
ヴァイオリンケースをロビンに渡す
ロビン : 「あ、ありがと…、い”っ…!、」
アルロ : 「っ!、」
ロビンは受け取ろうとした瞬間
右手に痛みが走り、手を離してしまう
アルロ : 「おい、怪我したのか?」
ロビン : 「いや、床に手をついたときに…、
ちょっとだけ、」
アルロ : 「見せろ、」
ロビン : 「え?、」
アルロは慌てたようにロビンの手を取り見ると
手のひらが流血していた
アルロ : 「思いっきり怪我してんじゃ
ねーかよっ!」
ロビン : 「大丈夫、これくらい!」
アルロ : 「じっとしろ、ハンカチかせ。」
ロビン : 「え!あ、うん。」
「ぎゅ、」
ロビン : 「っ!、、」
アルロは急いでロビンのハンカチを
手のひらに巻き付け止血する
アルロ : 「立て、俺ん家行くぞ。」
ロビン : 「え?、あ!!」
アルロはロビンの腕を掴むと
早々と自宅まで歩き出した
__________________________________________
アルロ : 「痛むか?」
ロビン : 「大丈夫だよ!本当に大丈夫!」
アルロは自宅に着くなり慌てたように
ロビンの手の傷の手当を済ませる
アルロ : 「だってお前、手、大事だろーが。」
ロビン : 「確かに大事だけど、これくらいは
本当に大丈夫だよ。」
アルロ : 「そうか…、ならよかったけど。」
ロビン : 「アルロ、」
アルロ : 「ああ?」
ロビン : 「ありがとう。」
アルロ : 「っ、、」
思い出した
この感覚
こいつに笑顔を向けられると
なんかどこかが
むず痒くなる
ロビン : 「また会えたね!アルロ!」
アルロ : 「そうだな。」
ロビン : 「元気にしてた?」
アルロ : 「まあな。」
ロビン : 「よかったー!元気が一番だよね!」
アルロ : 「まあな。」
ロビン : 「はは!あ!アルロ!傷治ったんだね!
よかったねー!」
アルロ : 「っ、」
なんの抵抗もなくロビンは
アルロの口元に嬉しそうに触れてくる
アルロ : 「っ、治るだろ!何日たったと
思ってんだよ、笑…」
ロビン : 「あっはは、そっかー!笑」
初めて会ったときも
こんな感じで
こいつはずっと笑ってた
まあ、あれだけ金持ってりゃ
毎日楽しいんだろうな…
“俺とは生きる世界線が違いすぎる”
ロビン : 「アルロ、本当にありがとう!
僕そろそろ帰らなきゃ、」
アルロ : 「あ、ああ。」
ロビン : 「じゃあ、次はまたどこかで
会えるかなー?ははっ、笑// 」
アルロ : 「知らね。笑」
ロビン : 「え〜?僕は会いたいな〜?
アルロに!」
アルロ : 「別に俺はどっちでもいー。」
ロビン : 「え〜?何でそんな悲しいこと
言うの〜?…寂しいな…、」
アルロ : 「っ、、;;; 」
アルロ : (なんなんだ、、、なんでだ…
(子犬みてーに悲しい顔しやがって…
(なんかクソ調子狂う…
アルロ : 「ぁあ”~~ 知らねーけど!!
どっかで会えんじゃねーの!? 知らねーよ!笑」
ロビン : 「あっはは!笑 会えるかなー!
うん!!会おうね!アルロ!」
アルロ : 「~~~っ、、」
初めて会った時と同じ絵
ロビンはニコニコしながら
ケースを持って玄関へと歩いていく
ああ…
あの時持ってたのも…
“ヴァイオリン”だったんだな…
ロビン : 「じゃあ、お邪魔しました!
迷惑かけちゃってごめんなさい。」
アルロ : 「ロビン、」
ロビン : 「ん?」
アルロ : 「これ、この間借りた分…」
アルロはそう言いながら
ロビンから借りた5万円を差し出した
ロビン : 「これはいらないよ。」
アルロ : 「は?何でだよ、笑」
ロビン : 「だって、助けてもらったから。」
アルロ : 「は?、、、」
意味が分からなかった
こいつ本当にヴァイオリ二ストか?笑
正直イラッとしてくる
アルロ : 「お前、俺がどれだけ苦労して
手にした5万だと思ってんだ!笑」
ロビン : 「だってこれでおあいこでしょ?」
アルロ : 「は?、」
ロビン : 「僕はこの間アルロを助けて、
今度はアルロが僕を助けてくれた。」
アルロ : 「、、」
ロビン : 「でしょ?だからいらないよ!」
アルロ : 「お前、まじイカれてるよ、笑」
ロビン : 「え?なんで?あ!じゃあさ!」
アルロ : 「なんだよ…、」
ロビン : 「今度、コンサートがあるんだけど、」
ロビンはそう話しながらケースから
1枚のチラシを取り出す
ロビン : 「よかったら見に来てよ!」
アルロ : 「あ、あー、俺はクラシックとかは
あんまり…」
ロビン : 「そっかー!じゃあもし気が向いたら!」
アルロ : 「あ、うん。」
ロビン : 「アルロ、」
アルロ : 「あ?」
ロビン : 「また、会えたらいいね!」
アルロ : 「っ、、」
ロビン : 「バイバイ!」
「ぎゅ、」
アルロ : 「うおっ、!、」
ロビン : 「あっはは!笑 またね、アルロ!
おやすみなさい!」
「ガチャ」
そう言ってアルロに優しくハグをして
ロビンはまた急ぐように出ていってしまった
アルロ : 「…、まじアホかよ、、」
2023年 夏
俺とお前は出会った
まだお前のことを
何も知らないまま…
でも
もう何も知りたくなくなるくらい
俺は
“お前のことを知るんだ”
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