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1年 4月
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「伝統ある我が水瀬学園に入学出来た事を、一生の誇りに………」
親からの勧めで、中高一貫の男子校に入学した
敷かれたレールの上を、ただノコノコと歩くのは少々癪に触るが、特に行きたい学校がある訳でも無かった
これでも親の期待には応えたい、そういう気持ちがまだあったのだろう
入学式が終わり、中学最初の昼休み
教室内は友達になれるかを見極め距離感を測る、あの独特の空気に呑まれていた
人見知りって訳では無いが、見極めるのも話し掛けるのも面倒に感じる
「なぁなぁ」
「え?」
鞄から弁当箱を取り出そうとしてたところ、隣の席から声がした
「1人で弁当食べるん?俺も1人やねん、一緒にええかな?」
「……ああ、良いよ」
コッテコテの関西弁に面を食らいながらも、嬉しそうに机をくっつけてくる奴に、不思議と悪い気はしなかった
「俺、桜庭 華夜 (さくらば かや)、宜しくなぁ」
「俺は藤原 詩音 (ふじわら しおん)」
「んふふ、案外優しいんやなぁ、顔怖いから話し掛けんの迷ってん、俺人見知りやからぁ」
前言撤回、今なんて言った?
「怖い?俺が?ていうか…全然人見知りじゃねぇだろ」
「まぁまぁ、それはさて置き、食べよ」
目付き悪いのか……?とややショックを受けてる俺を他所に、
いっただきまーす と軽快な声と共に手を合わせた
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