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1年 6月
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「なぁ、詩音もうすぐ誕生日やろ?何が欲しいん?」
体育後の休み時間、何故か上半身裸のままで机を漁ってる桜庭が、こちらを一瞥してそう言った
「馬鹿、お前なんでまだそんな格好なんだよ…早く服着ろ」
降り続く雨と体育のせいとは言え、制服に着替えずに半裸で過ごす馬鹿を促す
「え〜暑いしええやん、男子校やぞ?」
「関係ねぇだろ、早く着ろ、見苦しいぞ」
既に制服姿になった俺が、半裸馬鹿を見ようとしないのが面白くないのか、椅子ごと近付き俺の顔を覗いてくる
「どしたん、ええとこの坊っちゃんみたいな事言うて」
真っ直ぐに俺を見てくる桜庭の澄んだ瞳にドキリとする
「まぁこの学園なら、坊っちゃんが居ってもおかしくないんやけどな」
「……………」
いや、大丈夫、俺の事を知ってる奴は
「……詩音、どしたん?ちょっと顔色悪いで、具合悪いんちゃう?」
「ぁ、いや…大丈夫」
何かあったらすぐに言うんやで?、と心配そうにシャツに腕を通す
「おーい、さっさと席着けー、授業始めるぞー」
ドアが開く音と同時に、威勢の良い先生の声が教室中に響く
周りが慌ただしく席に着き、授業が始まった
普通にしないと
まだ真っ白のノートのページを見ながら、心の中で呟く
コンッ
突然視界に四つ折りされた小さな紙が入り込んだ
飛んできた方を見ると桜庭が指を差して口パクしている
開けろって事だよな
[ほんで、誕プレは何がええ?遠慮はなしやからなぁ!]
女みたいな丸っこい癖のある字でそう書かれてあった
しばらく欲しい物を考え、付箋に返事を書く
[じゃあシャーペンで]
少し腕を伸ばして隣の机に付箋を貼る
桜庭は凄い勢いで書き、凄い勢いで紙切れを投げた
[シャーペンな!この間壊れたってゆーてたもんなぁ!ってアホか!!そんなんでええの!?]
「ふっ……」
手紙でノリツッコミって……
実際に言ってるのが安易に想像できて、つい頬が緩んだ
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