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3年 6月
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「詩音〜!誕生日おめでとう!」
ガラッと教室のドアが開くと同時に、桜庭の元気な声が聞こえた
「声でかいよ、ありがとう」
無邪気な笑顔で祝われる事が嫌な奴なんていないだろう
自然とこっちも笑顔になる
「はい!」
小さなラッピング袋に入った何かを渡される
「え?俺お前にこんなちゃんとしたのあげてないけど」
昨年の桜庭の誕生日に、売店のお菓子しかあげてない身としては、こんな大層な物を受け取るのが心苦しい
「あれは俺が欲しい言ったから買ってくれたやん」
「まぁそうだけど…」
「細かい事はええって、詩音に似合いそうって思って買っただけやから、プレゼントさせてや、な?」
「……ありがとう」
なんか少し気恥ずかしい事を言われたような気がして、声が小さくなる
「どういたしまして、今開けてや!」
言われるがまま袋を開けると
「ピアス?」
中には黒い輪っか状のピアスが入っていた
「せや!卒業したら開け合いっこしようや
あ、あと俺の誕生日は詩音が選んだピアスが欲しいわぁ」
「しょうがねぇなぁ」
「あとなあとな、詩音金髪似合うと思うねん
絶対このピアスとマッチするわぁ!」
「金髪?……それはしない」
「んええ、似合うと思うのにー」
次の桜庭の誕生日にはピアス、そして卒業後に開け合いっこ
桜庭のテンションが移ってきたのか、その日が待ち遠しくなった
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