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これが、俺のファンサですよ
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「韓国ポーズって知ってます?」
「え。なにそれしらなーい」
「なんか今、韓国のアイドルのポーズで流行ってるみたいなのでやってみません?」
「えーどんなやつ?」
クレハちゃんは画像投稿アプリで何やら検索して写真を見せてくれる。
「こんな感じです」
なんか、頭の上で逆ピース? してる写真や、ほっぺにおててで丸を作ってるポーズが出てきた。
それを真似して撮ると、よく盛れたのかクレハちゃんがさらににこにこする。このこの笑顔、邪気がないっていうか、幼い感じでかわいい。幼稚園生がお絵描きで金賞取りましたよ、みたいな純粋に喜んでくれているからテンション上がる。
「ありがとうございました。来週も楽しみにしてます」
そう言うと、クレハちゃんはぺこりとお辞儀をしてから、後ろを振り向き帰ろうとした。けれど。
「やっぱりごめんなさい。いつものして欲しいです」
ツインテールをゆらゆらさせながら、俺に近づいてくる。これが俺の精一杯のファンサです。
ぎゅ、とその折れそうな背中に腕を回す。クレハちゃんの背、ちいさいからな。すっぽりと俺の体におさまるのが、チンチラみがあってとてもかあいい。このこ地雷系だけど、ちゃんと会話も成立してるし。ガチ地雷ではないよな、たぶん。
「ぽよくん。好きです。ずっと応援してます。おやすみなさい」
クレハちゃんが顔を上げて俺のことを見上げた。好きって言われるのはただただ嬉しい。2部のふれあい会で、おやすみなさいと言ってくれるのはクレハちゃんくらいだ。
その後も20人ほどの女の子たちと写真を撮り、お話して2部が終わった。
時計を見るとあっというまに21時を半分過ぎているところだった。これから衣装を脱いで、私服に着替えてとなるとライブハウスを出るのは22時を超えるだろう。
俺は今日行きたい場所があったので、送迎の車には乗らなかった。一緒にラーメンを食おうと誘ってきた綾とソマリオン、努くんにごめんなさいをして、タクシーで渋谷に向かう。
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