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愛撫 (自慰)
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次の日、櫻井はシャワーを浴びながら、自分の肛門をそろそろと指でなぞっていた。
櫻井が自分自身で肉体開発することを提案したのは、もちろん武上の反応をうかがうことが目的であった。
だが、彼自身その気が全くなかったわけではない。
このくだらない調教を早く終わらせれば、おそらく黒宮は次の段階を用意しているはず。例え用意していなかったとしても、お互いに楽しいと思ってないような不毛な愛撫の時間が、早く終わるに越したことは無い。
しかし、お湯で濡らしただけの指を入れるのは無理があるようだ。押し込もうとしても入り込む気配はまるでない。
櫻井は重いため息を吐きながらシャワーを止めた、体もだいぶ温まってきた頃合いだ。
ローションは仕事終わりにわざわざ大人のおもちゃ屋まで寄り道して買ってきた。浴槽のヘリに置いておいたそれを取り、櫻井は壁にもたれて座りこんだ。
トロトロとした液体を掌に注いで、その手でアナルを撫でてみる。
「…………」
これくらいぬめっていれば入るかな。
そう思った直後には、ためらいなく自分の指を肛門に押し込んだ。
「っ……」
アナルが開く感覚がある、指が自分の内側に入っていく。やはり異物感というか、圧迫感というか、少なくとも気持ちよさは感じられない。
もう少し刺激すればわかるだろうかと、入れた指を抜き差ししてみた。
少し動かしただけでも、ものすごいうねりのように感じるくらい狭い。それでも耐えられはしたので、しばらくそれを続けてみる。
思い立って、空いている方の手で乳首を摘まんだ。昨日の今日で、既に1人でアナルと乳首を同時に愛撫している自分にバカらしさを感じもしたが、続けた。勃起しそうな予兆は未だ来ない。
慰めのつもりもない行為を続けながら頭で考えているのは、武上のことだ。
あの男、常に機械然とした言動に努めているが、それが素であろうはずもない。いくらなんでも人として不自然だ。
腹の中では何を考えている?黒宮への本音は?
それらを探り出せれば、黒宮攻略のための道具も増えるかもしれない。そしてそれが出来るとしたら、武上1人と会えるこの開発とやらの期間だけ。
どれほどの期間になるかも分からない、しかしその間に揺さぶりをかけなければ。
……そんなことを考えていたら手の動きの方はおざなりになっていたが、弄っている乳首が固くツンと立っている事に気付いた。もう片方も指で撫で、爪で掠ったりしていると同じように形を変えていく。
なるほど、まだ感じるのはむず痒さだが、慣れれば気持ちよくもなるのかもしれない。それが予感できただけでもいいだろう。
乳首をいじっていた手で今度はペニスを握る。アナルを弄っていてもなかなか立たないのがさすがにもどかしくなってきた。
亀頭をぐにぐにと指先で揉みながら、それと連動させるイメージでアナルの中の指を動かす。ペニスが勃起し始めてから竿を扱いた。
両手を使ってペニスとアナルを責めたてる自分がどれほどはしたないかは、省みなかった。
快感があっても、その行為を大して楽しいとも思っていない。すべてはあくまで、交渉のための過程だ。
「は、ぁ……」
掴めてきた。
指を抜き差しする感覚、滑らせるようにようにしてその行為を続けると、じんわりとした気持ちよさが分かる。そこが「性感帯になり得る」ことは納得した。
時間の都合もあるし、そこまで分かっただけで今日はよしとしよう。あとは休日、武上に任せればいい。
櫻井はアナルから指を抜き、ペニスを急ぎ気味にしごいた。結構しっかり起ったし、抜いてしまった方が楽になるのも早い。
「ぅ……あっ」
下半身の奥の方から熱くなって、腰を少し震わせて射精する。こらえなければ早いものだ。だるさを引き連れて体を起こし、早々に手と股間を洗い流した。
次は明後日か……と考えた時、ピンときた。
風呂から上がってバスタオルで適当に体を拭くと、髪から雫をしたたらせたまま部屋に直行し、携帯を取った。
メールの履歴から武上のアドレスを選び、文面を打ちこみ、送信。
『櫻井です。昨日話していた件ですが、時間の都合が良ければ明日の夜からでどうでしょうか。仕事の後ならいつからでも構いません』
『武上です。了解いたしました、連絡をいただければ、そののち向かいます』
そう返信が来たのは10分後だった。
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