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絶頂 -6-
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櫻井が1つ1つ服を脱いで武上に渡す間に、黒宮は香月に合図を送っていた。
ベッドの向こうから身を乗り出して、香月が黒宮に奉仕している。
舌でサオを舐めながらうっとりとペニスを見つめるその表情は、いつもの自信に満ちた彼では無い。美しくも無様に貶められた、娼婦の様だ。
櫻井は下着を脱ぐときに、勃起したペニスに引っ掛かるのをずらさなければいけなかった。
拘束された香月の姿を見ていた時にはすっかり忘れていた身体の火照りが、今の香月を見て再び思い出されてしまった。
櫻井は脱いだ下着を武上に渡し、ベッドの前まで歩いた。
「もう勃起してるんだ、どうしたの?」
「今のその光景を見て、ですね」
「へぇ」
黒宮の瞳がおかしそうに細められた。
「香月くんに舐められたい?こいつフェラうまいよ」
「そういうわけでは……」
「いいよ真面目に答えなくて。そっち向いて四つん這いになって」
櫻井は少々戸惑いながら、ゆっくりベッドの上に乗り黒宮に尻を向けた。今更恥がどうこうという思いは無いが、むしろこの男に尻を向けることへの無礼が櫻井に躊躇いを覚えさせた。
黒宮の掌が尻にペタリと触れる。櫻井が後ろを向いて様子を確認したら、黒宮が空いた手を香月に舐めさせていた。
香月はここに来て言葉らしい言葉をまだ発していないが、それほどに心酔する黒宮が自分にこんな姿をさせるのを見て、何を考えているのだろうか。
「んっ……」
香月の唾液で濡れた黒宮の指が、肛門に突き立てられる。いきなり中まで入れてくる気だ。指一本なら、今はすぐに飲みこめる。黒宮も、そのことを知っているのかもしれない。
黒宮の指は中を探るように掻き回しながら前後する。大きく呼吸を取りながら、こうして彼に触られるのは初めてだな、と櫻井は考えた。
「っ!」
櫻井はギュッと身体を強張らせた。黒宮の指が感じやすい点をグニッと押してきたのだ。
「あっ!」
黒宮もそれに気付いたのだろうことは分かったが、それでも櫻井は気が動転した。まだ指一本にしても、刺激の仕方が激しい。
武上の愛撫はどちらかと言えば満遍なく全体を撫でるようだったから、こんな鋭い刺激を与えられたことはなかった。
「あっ、……あっ、う、あ……うぅっ……あっ!っ、ちょっと……!」
アナルを攻める指が追加されて更に激しく、そこだけをピンポイントに責められる。
思わず腰を引きそうになったところに、見計らったように武上の影が櫻井を覆い、腰をガッチリと掴まれた。
「や……あ、あぁー……あぁ、はぁ……っ……ああぁ……!」
声を上げるようになったのは前からだが、それでも自分のこんな高い声聞いたことがないし、どこからどう出てるのかも分からない。
武上が腰を離しても、櫻井は黒宮の刺激に合わせて腰を振っていた。脳まで浸食されるような刺激に、逃げる選択肢が失われてしまった。
気持ちいい……
気付けば、随分と体が汗ばんでいた。
櫻井は喘ぎながら、妙な感覚を感じていた。
おそらくそれが昇り詰める予兆であることは予感している。でも射精感とは、それを感じる場所が異なるような違和感。
尻への愛撫でここまで感じたのは、初めてだからだろうか……
「はっ……あぁっ……も、もぉ、あっ……」
『まさか』と考えた直後だった。
「あっ、ああぁっ―――!!」
脳天を貫くような絶頂が櫻井に襲いかかってきた。
「あー……!!あっ!ひっ、や、やめっ……!あぁ!あぁ……!」
……少し話は聞いている。直腸内部から前立腺を刺激して起こる、射精を伴わないオーガズム。射精よりも強い絶頂感が、射精よりも長い時間味わえるという……
「あぁ、も、もう……あぁー……!うぅ、あー……!」
やばい。
まともに思考も働かない中、直感でそう感じた。
「あぁ……!とっ、とまんないっ、とまんないぃ……っ!!」
AV女優のようなベタな台詞を吐いているという意識も、もう無かった。
本当に、快感で頭がやられそうになる。
身体の中心で脈打つような快感を感じるたび、頭にまで電流が走る。
もう腕を立てる余裕もなくなって、尻を突き出しながら腿をガクガク震わせて喘ぐことしかできなかった。
「あぁ、あぁ……!っ……!も、ゆるし、っうぅ……!!」
とめどない絶頂、これはいつまで続けられるのだろうか。
「あっ……!っ……ハっ……!」
声が段々と嗄れ始め、声を上げる気力も摩耗してきている。思考に何度も麻痺が起こる狭間で、自分は死ぬんじゃないかとさえ思った。
もう腹が苦しいほどだ。でもまだ快感が止まらない……
「はっ……アァッ……ひっ、アッ、……ぁっ……」
……終わった。
それが分かった瞬間、辛うじて立っていた膝も崩れ落ちた。
頭の中はグチャグチャになって、全身に残る甘い痺れを感じるだけで精一杯だった。
体全体で息をしていた。股間周辺で脈を打っているのを感じるほど、血の流れが激しい。足はまだ、意思と関係なく痙攣する。
自分の上に影ができた。黒宮がこちらを見下ろしている。
背中の下に腕が入ってきて、身体を起こされた。
「思ったより早くイったな……」
櫻井はされるがままにユラリと起き上がる。
黒宮の顔が、唇が近づいてくる。
「ん……」
彼の唇は少しカサついて感じた。
「ふ……ぁ……」
しかしその舌は柔らかく櫻井の口腔を犯して、櫻井は脳までとろけるような気分に浸った。キスなんて、いつからしてなかっただろう。
唇が離れて、その口元が微笑んでいるのが見えたあと、櫻井はその腕に包まれるのを感じた。
そのまま一緒になって、横に寝かされる。覚醒しない頭と痺れた体に、肌の感触と熱が心地良い。
自覚があるかないかのところで、櫻井は自分からその肌にすり寄り、胸に顔を寄せた。
朦朧としはじめた意識の中で、多幸感が櫻井の身体を支配していた。
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