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解放 -8-
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犯された夜のことが、櫻井が最後に会った武上の記憶だ。
今もその時と同じ武上征爾がここにいる。
世界をシャットアウトしていたときは彼の変化も他人事のように見ていたが、正気を取り戻した今は違う。この頭のネジが外れた変態が、今ここで何をしようというのか分かったものじゃない。
櫻井は身構えながら、武上のことを睨みつけた。
「……そんなかっこで何の用だ、何で今日の現場がここだって知ってる」
「オーケー、1つずつ答えよう。まず格好については完全にオフ仕様だ、休みの日くらいオシャレしなくちゃな。用事はいっぱいあるぞ、話したいこともあるし、ただあんたの顔が見たかったってのもある」
「ふざけるのはそのオシャレとやらだけにしてくれ」
「お?俺のセンスを否定したな?冗談じゃない、何もかも大まじめだ。好きな人の顔を見たいと思う気持ちを、お前はおふざけだって言うのか?」
「好き……?」
櫻井が顔をしかめると、武上は満足そうにコクコクと頷いた。
「あんたのことは大好きだよ。つまんなそうに俺にケツほじくられてたあんたも、仕事の時とセックスの時だけ人間味と感情が豊かになるあんたも大好きだ。あぁ、あとこの場所なら、仕事の予定が入った段階で知ってた」
「……仕事に戻る」
「いけずだな、まぁいいや!仕事が終わったらドライブにでも行こうぜ。それからでも遅くはない」
「誰も行くなんて言ってない」
「それでもお前は行かなきゃならない」
武上を放って戻ろうとした櫻井が、ピタリと足を止めた。
「この前見せられた映像なら……」
「そうだな、黒宮さんが全部ぶっ壊した。それは本当だ、俺にも残してくれなかったよ。で、だからどうした?」
武上は両手を広げて首をかしげて見せた。
「証拠なんて必要ない、何なら事実だって要らない。ただ耳元で囁いてやりゃあいいだけだ」
武上はカツカツと櫻井に近づき、櫻井はジリジリと後ろに後ずさる。
しかし武上が素早く櫻井を捕まえて、その耳元に顔を寄せた。
「お前が夜な夜なケツでチンポ咥えて仕事取ってるクソ変態マネージャーだって、可愛い可愛い木田ちゃんと前島ちゃんにな」
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