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「そのバッジは本来、役員が
サポート役になる人に渡す役目があったんだけど
いつからかお気に入りを牽制させるために使われてる
独占欲。鎖みたいなものだよね。」
あげた人が何を言ってるんだか。
でもそうか
本当はそういったまともな理由があったのか。
「俺はね。自分で言うのもだけど
人気がある自覚はある。
しかもその人気は自分が撒いた種だと理解してる。」
徹から聞いていただけでは
チャラついていて
自分の人気に酔いしれてる人だと思ってた。
「だから本当は周りにも君が俺のお気に入りで
自由にここに来れる人だと知らしめたいけど
その独占をよく思わない人もいるだろう。」
昨日みたくなっても俺が常に守ってあげられないからね。
そう言った柊先輩は
僕が想像してた人物像とはかけ離れていて驚いた。
「だから、常に付けていてとは言わないから
大切に持っていてほしい。
そしてたまにでいいからこうやって
ここに来て話し相手になってよ。」
どうして僕が…どうして僕なんだ…
そう問いたかったが
なんとなく柊先輩の気持ちがわかった気がした。
人に嫌われることを恐れて
色んな人を受け入れていたら
疲れてしまったんだね。
何も知らない人間だからこそ
気を許せるのかもしれない。
柊先輩は僕が思うより
人との距離を理解している。
この人なら僕が拒む
「大切な人」「友情」を求めない。
「情に流されない人」であってくれる。
「柊先輩が求めることにお応えは
できないかもしれませんが
たまになら僕にできる"サポート役"になりますよ。」
そう言うと柊先輩は
少し清々しい笑顔で言った。
「ははっ…ほんと湊音ちゃんは
人に好かれるね。」
柊先輩も僕と同じだと思う。
人に嫌われることは怖い。
でも、人との距離感はほしい。
好かれても応えられないから。
大切な人をもう失いたくないから。
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