アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
20
-
家でダラダラとしていたら
「あ、ちょっとおつかい頼める?」
お母さんの一言。
「いーよ。何買うの?」
「コンソメと玉子」
今日はロールキャベツとコンソメスープ作るの。
そう笑顔で言ってくるお母さん。
いや、メインのコンソメ無かったのかい。
少し距離があるけど
歩いて行くか。
そう思い家を出た。
スーパーで買い物を終え
帰り道で
「おねーさん。俺と遊ばない?」
懐かしい声がした。
振り返ると
「………ハチ。」
懐かしい顔があった。
1本のメールを送ってきた張本人。
「久しぶりだね、那央。」
僕を那央と呼ぶこの男は
ハチ。本名は空(くう)。
ハチは僕が付けたあだ名で
犬みたいで、しかも忠犬だからハチ公からハチ。
「またそれか。」
またと言うのは
初めて出会った時
失礼なことに僕を女の子と間違え
身長が小さかった僕を当時中学生なのに
小学生と間違えた男。
確かに当時は140cmもなかったけど!!
「安心して。アイツはいないから。」
アイツというのは会いたくない…いや
会えないあの人。
「まだ女と間違えるのか?
僕だって成長したのに。」
出会ってから2年が経った。
2年で僕も20cmは伸びた。
俺と言っていたら似合わないと言われたから
まだ僕って言っているけど
体だって男になってる。
「いや?俺は男の那央も好きだから
ちゃんと男って思ってるよ。」
もってなんだ、もって。
僕は正真正銘、生まれた時から男だ。
会わなくなってから1年ほど経つのに
懐かしくて、でも最近のことのように思い出す。
「確かに背は伸びたな。まだちいせーけど。」
相変わらず失礼な男だ。
「まだ成長期なんで。」
ちょっと拗ねたように話す僕。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 105