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「なぁ。」
今日1日の授業も終わり
寮でゆっくりしてると
ふと声をかけられる。
週末には志生たちと会ってから
少し僕の気分も落ち着いている。
「前から思ってたんだけどよー
なんで湊音はそんなに人と壁を作ってるんだ?」
もう今は季節が冬になり
もうそろ徹たちとも出会って1年近くなる。
そんな徹も薄々気づいてはいた。
「壁?そんなもん…」
ないとは言いきれないが
「学園祭はまだしも
体育祭とかでは仲良くなれると思ってたけどさ
生徒会とも交流あるし。」
「僕に友達は要らないから…」
前にもこんな話を徹にしたけど
毎度この話をすると徹は少し悲しそうな顔をする。
そうさせてしまってるのは
わかってる…でも。
「僕にとって大切な人は
志生たちだけだから…」
「どうしたら湊音と仲良くなれる?」
いつになく真剣な徹。
徹は僕にとってどんな存在なのか
不安なんだろう…。
「仲良くする気はないよ」
徹はあくまでクラスメイト。
くま先輩も柊先輩も
あくまで学校の先輩。
それ以上でもそれ以下でもない。
「俺は…湊音と仲良くなりたい。
湊音と友達になりたい。」
「徹…これ以上この話するなら
僕は徹のそばには居られないよ。」
そう言って僕は徹を残し部屋を出た。
誤魔化せない。
もうしっかり伝えないとダメなのかもしれない。
グルグルと1人悩みながら
自然と足はある場所へ向かっていた。
「あれー?湊音ちゃーん。」
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