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それからというものの
徹がいない時
僕が1人の時を見計らって
色んな嫌がらせをされた。
物を隠されたり壊されたり
寮には深夜でもピンポンダッシュ。
おかげで寝不足だ。
「なんか元気なくね?」
「そういう徹こそ」
徹の目にはクマ。
顔も疲労が溢れている。
「ふ、副会長こえぇ…。」
次期副会長候補になるわけだから
ビシビシ言われてるのだろう
副会長容赦なさそうだしなぁ。
さすがに物を隠されるのは探すの面倒だし
壊されたら勿体ないからやめてほしいなぁ。
そう思っていると
『全校生徒にお知らせです。
本日放課後に全校集会を行います。
生徒の皆さんは寮に戻らず
体育館へお集まりください。』
副会長の声だ。
ひっ!と怯えた声を出す徹。
どんだけトラウマになっているんだ…。
放課後になり
副会長の放送に従い
全生徒が体育館に集まった。
『急な呼び出しですまない。
生徒会からお知らせがあるから
みんなしっかり聞いてくれ。』
ステージに立つ生徒会。
会長、副会長、柊先輩、くま先輩。
『俺と雅…会長副会長がもう少しで卒業する。』
その言葉に悲しい悲鳴が響き渡る。
しっかり聞いてくれって言ってただろ…。
『そこで、次期生徒会長と副会長を
俺の独断で推薦させてもらった。
本日理事長に受理され正式に任命となる。』
えっそうなの?
『次期 生徒会長 橘 湊音。
次期 生徒会副会長 市原 徹。
壇上に来てくれ。』
そう呼ばれ
徹と僕はステージに上がった。
やばい、みんなの視線が痛い。
なんでこいつが?
てか、誰?
は?こいつ外部生じゃん。
モンド様のバッジ持ってたやつじゃん!
僕なんて小学からモンド様追っかけしてたのに…。
様々な声が聞こえる。
手が震える。
「大丈夫。俺もいるから」
そう言ってくれた徹に頷き
マイクを握った。
『えっと…紹介に預かりました…?
1年 橘 湊音です。
ご存知の通り外部で去年入学と共に
この学校にやってきました。
まだこの学校のことは全て知りません。
きっと僕が知るこの学校は
まだ2割3割ほどかもしれません。
現生徒会長…神宮寺先輩に比べて
全然生徒会長の威厳とかないし
頼りないかもしれません…。』
そーだ!そーだ!
辞退しろ!
そんな声が響く。
生徒会も徹も黙っている。
『僕は過去に裏切られ傷ついて
傷つけて逃げてばかりの人生でした。
最初はこの学校に来たのも
色んなことから逃げて、この閉鎖的な環境だと
外部との繋がりがないから逃げれる場として入学しました。
いざ入学しても人と壁を作り
せっかく壁を壊してくれる友人すらも
拒んでいました。』
後ろに立つ透を見る。
『でも、家族や友人の力は偉大で
支えられて今の僕がある。
もちろん全ての人が恵まれた環境じゃないかもしれない
だから…そんなときは、僕に頼って欲しい。
頼りないかもしれないけど、僕が力になりたい。』
騒いでいた生徒たちも黙って聞くようになった。
『みなさんに大切な人、大切なものを
見つけて欲しいです。
大切な人を守る力は絶大で
大切なものを守るためならどんなことも出来る
そう信じているので
皆さんにもただの学校生活ではなく
心から守りたいなにかを見つけて欲しいです。
そのお手伝いを僕はしたいと思っています。』
挨拶を終えようとしたが…
『あ、そうだ。
みんなが気になってる会長との関係だけど
ほんとになんもないですからね?
僕には大切なこ、恋人がいるんで
みなさんが思うようなことはありません!』
これでみんなが納得してくれるか
わからないけど、誤解は解いておこう…。
顔が暑い…。
全校生徒の前で何言ってんだ、僕。
『はーい。
副会長に任命されましたー
市原 徹でーす。
中学から持ち上がりだから
知ってる人もいるかもだけど
この度、副会長になります!
現副会長の涼宮先輩は怖いです!
あの人に逆らえる人いたら会ってみたい!!
でも、副会長としては尊敬してます。
だから、そんな副会長になれるよう頑張るから
みんなも新しい生徒会を支えて欲しい。
今までの生徒会は生徒の助けなんて要らないくらい
しっかりした組織だったけど
会長、副会長は右も左もわかんねぇから
生徒みんなで生徒会を作り上げたいと思ってる。
あ、あと俺も大切な人がいて
片思いなんだけど…それでも
そいつが幸せならいっかなって思ってる。
湊音の真似じゃねーけど
みんなにもそんな人見つけて欲しい。
恋愛じゃなく、友人とかでもいいから。
一緒に笑い合える仲間を見つけて欲しい。
いじょーですっ!!!』
最後は恥ずかしくなってきたのか
いつもの様におちゃらける徹。
すぐには認めて貰えないかもしれない
それでも僕らがいつか導ける立場になれるよう
頑張っていこうと思う。
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