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前途多難な高校生生活(2)
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「─── じゃあテスト返却していくぞ。
名前を呼ばれた人から取りにきてくださーい」
名前を呼ばれた生徒がどんどん席を立ってテストを取りに行く。席に戻った生徒からは歓喜と悲嘆の声が漏れている。
「はいつぎ、一ノ瀬くん」
教師に名前を呼ばれたので他の生徒に続いて前の教卓の方へテストをとりにいき、差し出されたテスト用紙を手に取る。
「全教科満点をとった生徒は初めて見たぞ」
「? そうですか」
クラスからざわめきの声が上がる
「えっ!一ノ瀬頭良いのかよ!!!」
「玲君すご〜い!」
「絶対赤点仲間だとおもってたのに、、、」
???
何をそんなに騒いでいるんだ?
クラスメイトの驚きの声に戸惑いながら、なんとか席へ戻ると隼人が驚いた顔でこちらを見つめていた。
「お前ほんとに頭良かったのな」
「そうか?この問題なら間違える方が難しい」
「そこまで言われると清々しいな」
「オレはおかしなことをしたか?」
「ただ皆びっくりしてるだけさ。みんな玲が授業聞いて
ないの知ってるし勉強出来ないと思ってただろうか
らさ」
「隼人はどうだったんだ?」
「大体80点ぐらいだな」
─── なるほど。
頭がいいと言われていた隼人でその点数
どうやら間違いを犯してしまったらしい。その後、担任の教員から平均点というものが発表され、オレは理解した。
「今回の平均点は72点だ。他のクラスと比べると10点
ほど高い点数になっている」
組織にいたオレには簡単すぎる問題だったけど平均点数以上を安易にとると目立ってしまうのか。ルカさんから貰った資料にはそんなこと書いてなかった。
次から気をつけよう
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