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ルカとの出会い(2)
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そんなこんなでオレのルカさんへの印象は初めから最悪だった。けれど一緒に任務をこなしていく中でルカさんの凄さを実感した。
あの人は要領よく仕事をこなすし、オレへの指示も的確で分かりやすい。情報の分析力、仕事中にトラブルが起きた際の対処も迅速で、戦闘センスもバツグンで能力に申し分ない。
殺しの依頼の時は楽しそうにいたぶるので見てられないが、ルカさんの近くにいると多くのことを学ぶことが出来る
─── ただ、性格に問題が大ありだ
とりあえずやってみよう精神の人だから、ついていくこっちは振り回されっぱなしだ
仕事に飽きたら途中でも帰っちゃうし、わざと危険な状況になるようにしてスリル楽しんだり、綺麗な女を見つけるとナンパしに行くし、1番厄介なのはオレへの嫌がらせだ。
まだ経験の少ないオレを危険な現場に置いて帰ったり、意味もなく呼び出してそのまま数時間放置されたり、面倒な報告書を全部押付けてきたりと、日々ルカさんに嫌がらせの数々を受けている。
オレ達は今仕事の関係で日本にきいている。まあルカさんから押し付けられた仕事のせいで観光する余裕なんてないけどな。
今日もまた資料室でルカさんに押し付けられた報告書を作成しているとルカさんがやってきた
「調子はどうだいお嬢さん。ちゃんと仕事してる?」
オレが操作しているパソコンの隣に腰をかけ、サラサラでいいねと言いながらオレの長い髪をクルクルと指にまきつけて遊んでいる
「昨日の報告書ならもう提出してますよ。
お陰様で忙しく仕事をさせてもらってます」
「相変わらず無表情だし無愛想だなあ。まあそんなお前
をからかうのが楽しいんだけどね」
「それで何か用事ですか?
オレは見ての通りルカさんの分の仕事で忙しいんで
出ていってくださいよ」
「そんなつれないこというなよ〜」
つんつんとオレのほっぺをつついてくる手をはらいのけると、大袈裟に痛がる振りをする。人をイラつかせる天才かよこの人は。まったく。
すると目の前に書類を差し出された
「俺の要件はこれだよ。
本当はまだハーフマスクも持ってないお前にこの手の
任務を任せるのはダメなんだけど、まあお前なら大丈
夫だろ。このマスク貸してやるし。
俺は遅れるかもしれないけどあとから合流するから☆」
フルフェイスのマスクを渡すとルカさんは死ぬなよ〜☆と手をヒラヒラ振りながら資料室を出ていった。
「いや、幹部になると与えられるこのマスクをオレに
貸すのは絶対まずいでしょ……」
1人残されたオレは思わずぼそっと呟いた
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