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あの日の出来事(2)
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撃たれた肩のところを割いたハンカチで強く縛り止血を終えると、1度深く深呼吸をした。
今までルカさんには何回も命の危機に晒されてきたけど今回は本当に死にそうだな
バタバタと複数の足音が近づいてきた
オレは追いかけてきた男たちの前に立ち姿を見せる
「おい!いたぞ!こっちだ!殺せっ!!!」
ひとりの男が大声で仲間を手招きすると、30人ほどの人間が集まった。さっき20人ほど殺ったと思ったんだけどまだこんなに残っていたのか…
オレはマスクのしたで苦笑した
数人の男がナイフや銃を手にオレの方へ飛び出してきた。
それをみてひと呼吸おき、応戦する
撃たれた左肩のせいで左手はあまり使い物にならない。奴らは素人では無いプロの人間だが、個人の戦闘技術はオレの方が上だ。
視線の向き、銃口の先、重心のかけ方、ささいな体の動き、表情、それらを的確に分析していけば複数方向からくる攻撃も避けられないことは無い。が、まあここから攻撃に転じるのは中々、腕の見せどころと言ったところか
大体の攻撃パターンをみきったオレは反撃に出る
─── 1人1人確実に始末する
そして最後の一人になった男を追う。アイツを始末すれば終わりだ
「hunhuhunhuhuhuhuhun〜♩」
鼻歌を歌いながら男に近づく、もう腰が抜けて上手く立てないようだ
「ひっ、見逃してくれ…!!!」
命乞いに耳を傾ける気は無い。
オレは躊躇なく眉間を撃ち抜き、男は血飛沫を上げながら後ろへ倒れ込んだ
─── これでやっと終わった
気づくと辺り一面血の海でさっきの男たちが地面に倒れていた。オレのスーツは返り血でどろどろだ。
マスクにも血飛沫が飛び散っているだろう
潔癖症のルカさんの借り物なのに後で小言を言われるかななんて考えながら、血溜まりの中に佇んでいると
─── 小さな足音が聴こえてきた
銃を構え振り返ると、そこにはオレと同い歳くらいの男の子がいた。
オレは慌ててすっと銃を背中に隠した
真っ黒な髪に真っ黒な瞳
日本人か
その大きく丸い黒い瞳は凄く澄んでいて吸い込まれるようだった。
「Shhh...」
人差し指を口元にあてしーっと騒ぎ立てないように合図したつもりだったが通じたか?
しばらくぼーっとオレの方を見ていた男の子だったが、オレの足元の血や転がってる死体に気づいたのかおずおずと後ずさりをし、慌てて来た道を帰っていった。
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