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第一章 勇者は魔王を倒したい#01
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この世界に人間の王は一人しか存在しないのか?
違うな。国がある数だけ王もいる。
ならば魔族とて同じこと。
追伸
いい加減にしろ。暫く相手をしてやる暇はない。
by 魔王
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広げた紙に綴られた達筆な文字、四人の少年は眼を疑った。
「き、聞いてないぞ。そんな話し」
「て事はまさか、魔王一人倒しても、また別の魔王を倒しに行かないといけないのか?」
その絶望的な響きに全員は息をのむ。
「……カイン、今まで総角之好(そうかくのよしみ)としてここまで付き合って来ましたが、それも今日までです」
「え!? 」
「そうだな。流石に今回ばかりは付き合ってられないぜ」
「そもそもなんの利点もない旅だ。何しろ我々の国では魔族とうまい事折り合いをつけている」
「そ、そんな~。じゃあなんで皆一年近くも付き合ってくれたんだよ~」
背を向け帰って行こうとする仲間に、カインは情けない声をだす。だが誰一人とて振り返る事はない。
「ま、まじかよ」
呆然と、仲間が去って行くのを見送り
「こ、この、薄情もの~~!!」
こうして旅立って一年後の朝に、カインは旅の仲間を失った。
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