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ブラッディバースデー 3
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「ふ、藤代さん!あれってまさか……!?」
「俺が行く!お前はここで、犯人が出てきたら迎え撃て!ただし無理はするな、すぐに応援を呼べ!」
現場の家に着くと、予定より1時間も早いというのに窓からはためく赤いレースカーテンが見えた。不自然に所々が真っ赤な、レースカーテン。
しまった!拳銃携帯の許可はない。念のためにと持ってきていた警棒を構え、玄関へと近づく。
まさか。本当に、昨日の今日でまた誕生日を祝う家庭を襲うなんて。発案者の俺も驚いた、焦った。緊張する。クソッ、実践経験なんてほとんどないのに。
ゆっくりゆっくり、足音を立てないように玄関へと近づきながら流れる汗を拭う。次から次へと吹き出す汗が、目に入って痛い。
こんなことになるなんて、と思うってことは。上司のように俺も、心のどこかで犯人と出会わない、空振りであってほしいと思い込んでいたんだな。考えが甘い。
バンッ!何かが強く叩きつけられたような音が響き、俺は一気にドアを開けた。瞬間、黒い何かが飛び出す。
全身黒づくめの、たぶん犯人。服装的にも、それに手には血に濡れたサバイバルナイフ。そして、右目からおびただしい量の血を流して。
犯人は、俺に気付くと慌てて逃げる。追いかけようとしたら「待てっ!」と、背中にドスッ!と衝撃。
待たせている同僚ではない声。いきなり体当たりしてきた誰かもろとも、玄関の階段から転がり落ちて。その隙に犯人は逃走。外で見張っていた同僚は、ビビッて車の中で震えているなんて。
せっかく、連続殺人の凶悪犯を逮捕できると思ったのに。犯人を追っていたらしい、俺の腰にしがみついている誰かを振り返れば、子供だった。
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