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ブラッディバースデー 6
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普通の中学生だったら逃げ出しているか、気を失っているか、隠れている。なのにあの子は、それどころか犯人を追っていた。
俺を見つめる、吸い込まれそうな黒い目。疲弊はしていても力強い光が宿っていた。だめだ、あの子はどう考えても、普通じゃない。
もしも本当に少年が警察の犬だったら。子供にあんな危険な真似はさせられない。すぐにやめさせなければ。
「会いたい、な」
あの日とは違う、快晴。さめるような青を見上げ、俺は呟いていた。
あの美しい少年に、また会いたい。どうしても。会って、話がしたい。あの子はあんなにも、血で汚れていたのに。
色白で細身で、顔立ちは幼く髪が長めで一瞬だけ女の子に見えた。けれど声は強い男の子の声で、細身ながらも腕や足には意外と筋肉があって。
忘れられない。いや、忘れられるわけがないっていう出会いだったな。……腰抜けの同僚は見てないなんて言いやがったが。
謎だらけの美しい少年。濡れていた頬は雨のせいか?それとも――
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