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黒い傘 2
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「藤代さんは生粋のお人好しだもんねー?困ってる人を放っておけない、だから僕を拾ってくれた。新しい飼い主になって名前と、居場所をくれた。おかげで僕は仕事も家事もできる、毎日楽しく過ごせてるんだよ」
うるさい、ニヤニヤしながら「藤代さんって洗濯や掃除は適当だし、料理は全然できないもんねー?」って笑うな。
一緒に暮らし始めて、1日でバレた。独身男の1人暮らしだ、そんなもんだろ?仕事のせいで掃除も洗濯も、マトモにできないんだよ。
だがミナギはすごかった。休みの日の朝、掃除機の音で目が覚めるとマスクをつけたミナギが「大掃除するから手伝ってよ」と、掃除機で吸い込んできた。
前は一軒家に住んでいたらしく、俺のワンルームは「すぐに終わるから」って。どこからどういう風に掃除すればいいのかも教えてくれたし、細かいところも丁寧にやっていた。
性格か、教育か?おかげで、俺が今までどれだけ汚い部屋で過ごしていたのかを思い知った。
洗濯も、装飾品がついたのはネットに入れろだとか、色物は移るから分けろだとか言って洗剤についても教えてくれた。やれやれ、どっちが子供なんだか。
1番驚かされたのは、料理の腕前。同時に5種類作ったり。冷凍庫で長期保存のきくものを作ったりと、レパートリーの多さと知識と手際の良さに脱帽。
警察が、仕事で何日も家に帰れないことを考慮しての調理か。料理は好きだって言っていたし、これはミナギの趣味だな。
もちろん、美味い。その美味さに思わず箸を落としてしまったくらいだ。その時ミナギは「口に合わなかった?」って心配してくれたな。
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