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ドッキリ 10
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あの店の1番人気、看板商品はやはりエクレアだったか。いや、ショーケースとにらめっこしていた時に店員から勧められたんだ。
閉店間際までにエクレアが残っているのは奇跡だからって、初めてならなおさらってさ。けどやめた。
残っていたエクレア、1個だったんだ。壺プリンよりも安かったんだが、ミナギのことを考えると俺と同じものがいいと思って。
頑張る店員に「次に来たら必ず2つ買います」と、壺プリンを選んだ。……なんて、ミナギは知らなくていいこと。
壺を揺らしてみたり、スプーンでツンツンとプリンの表面を突っついてみたり。首をかしげてから、やっと一口食べた。
「美味しい!卵黄多め、卵の味がしっかりするけどあとからバニラの風味も感じる。それに、昔ながらの製法、蒸した固いプリン!僕、卵味の固いの大好きなんだ!」
スプーンを握り締めて感動しているのか?「固いのに舌触りは滑らかだぁ」と、なかなかの食リポ。
「昔ながらって、お前は若いんだから昔のプリンを知らないだろうが。だがまぁ、気に入ってもらえてよかったよ」
「店長オススメのエクレアを選ばないで、無意識に僕の好物を買ってくるなんて。藤代さんは僕のことが大好きなんだねぇ、クスクスッ」
「……ミナギお前、本当はエクレアが食べたかったんだろ」
チッ、わざとらしく目を背けやがって。笑うな。あー、目を背けたまま食おうとしたら……ほら、口に入らない。スプーンに乗ったプリンがミナギの頬に追突。
そんで、目が合うよな。「あっ」なんて情けない声が漏れて、ティッシュの箱を差し出してやれば真っ赤な顔でスプーンを咥えてティッシュをひったくる。
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