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番犬 2
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見えたのは、左肩を傘の剣で刺し貫かれている戦闘服の男。それから、男に組み敷かれて眼前にまで迫るナイフを素手で握り留めているミナギ。
「やめろッ!!」
ナイフから滴る血がミナギの白い頬を濡らす。力負けして眼球をナイフが貫く寸前、俺は殺し屋に体当たり。
右腕に焼けるような激痛が走るが、気にしない。すぐに体勢を立て直した殺し屋のこめかみに警棒を叩き込み回し蹴りを決めた。
それでもさすがはプロの殺し屋。素早く両腕で俺の回し蹴りをガード。フラつきはしたが後退するだけで倒れない。目が回っているのか、頭を振っている間に間合いを詰めてもう1度警棒を振り上げる。
が、殺し屋の方が早かった。目が合った。死を感じとっさに首をガードしようと引っ込めた腕にナイフが突き刺さり、けれど殺し屋の股間を蹴り飛ばしてやった。
俺だって長年、訓練を怠ることのなかった警察だ。自衛官やテコンドーの達人が相手でも立ち回れるように、物理的に骨が折れるハードな訓練を積んできたんだ。
大丈夫だ、殺し屋の動きは目で追えている。負けない。必ず、捕まえる。
すかさずミナギが身を低く滑り込んできて、崩れ落ちた殺し屋の足を切りつける。その流れで黒い傘を振り上げ、立て続けに首筋を狙う。
いつものミナギじゃない。オフの時とかいうんじゃなく、仕事の時とも違う。雰囲気が、全く違う。
細い体が纏う雰囲気と、ミナギの顔を見て悟った。大きく口を開けて、叫んだ。
「殺すなッ!!」
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