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番犬 6
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ミナギが“家族”に怯え酷く嫌悪するのも知っている、その理由も。○○君をおびき出すために言った。だが、本心でもある。
拒絶されても、胸をドンッ!ドンッ!と殴られても、漆黒の瞳から大粒の涙がこぼれても。俺は本気でミナギを家族にしたい。
気づいたんだ。俺が、ミナギに抱いている想いに。
だからミナギが、○○君が本気で焦って叫んでも。俺はもう、この腕を離さない。叫び暴れる体を押さえつけ、頭を撫でる。
まるでミナギの心を表すように、天候が悪化した。窓に打ち付ける雨音が大きくなる。だがこれくらい密着していれば、俺の声は、俺の想いは届く。
目を閉じ、深く息を吸い込むと雨の匂い。ミナギの匂いを肺いっぱいに感じながら俺は、耳元でささやいた。
「好きだ、ミナギ。愛している」
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