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雨は降り続く 3
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「優しくて。僕の生い立ちと、父親に激しく怒って。そして爆発した。あの人はブラッディバースデーの犯人を殺して、自分にすり替えて………………僕の家族を襲ったんだ」
ギュッと、黒い傘を抱きしめる腕に力がこもる。覚悟を決めたミナギの告白に、俺は驚かない。
「知っている。連続にしてはお前の家族の時がやけに、酷かった。足を踏み入れた時に感じた違和感とただひたすらの怒り、そして悲しみ。お前は、命の恩人同然の飼い主を、その手で殺してしまったんだな」
大きく見開かれる、漆黒の瞳。そこに映る俺の顔が、全てを物語っていた。
あの日感じた違和感の正体を求めてずっと調べていた。真相に気付いたのは、つい最近。
悪いな。真面目な現役警察官、なめるなよ?ミナギと前の飼い主を調べて○○君のことを詳しく知っていくうちに、たどり着いた。
お前が犯した最大の罪。最悪の家族から救ってくれた神を、自分の手で殺してしまった。
きっと前の飼い主も俺と同様、○○君と過ごしていくうちに家族愛を感じるようになってきた。さらに年月が過ぎて本当の家族への憎悪が膨れ上がっていった。
結果、警察という身分を使ってブラッディバースデーの犯人を追い詰めた。しかし次の瞬間には○○君の飼い主、家族としての彼が犯人を殺害。
5年前のあの日、○○君の兄の誕生日だった。同時に、○○君の誕生日でもあった。双子だったんだ。
まさに幸せに包まれる家族。温かく楽しそうな誕生日パーティーの光景、本来なら主役の1人である○○君がいないその光景に、彼は完全に我を失ってしまった。
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