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雨は降り続く 8
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「愛してるよ、ミナギ。これからもっと、嫌というほどにたくさん愛してやる」
「下心丸出しな笑顔がこーわーいー。フフッ。大好き。あぁ……っ、もう。ありが、と……ゆ、柚樹さん。僕も、愛してる」
笑えば、ポタッポタッと雨が降る。お前は本当に雨が好きだなぁ?
ミナギが俺に特別な感情を抱いているって、何となくわかっていたんだ。最初は違和感だけだったが、確信に変わった。
時々、ミナギが俺をジッと見つめていたのも。外食で注文する時に俺と同じものを注文しようとしていたのも、そういうことだろ?
だがまぁ、本人が自覚していたのかどうかは。たぶん、“気になる”程度だった。自覚していても、その想いを“何かの間違いだ”と押し殺していたんだろうが。
いざ、解禁ってか?全てを解き放ったミナギがどんな風になるのか楽しみだな。
俺のことを「藤代さん」じゃなくて「柚樹さん」って、恥ずかしそうに呼んだのがまた可愛い。その後に紡いだ愛の言葉は、くすぐったそうに笑って震えていた。
大粒の雨を受け止めながら手を伸ばし、「クスクス」笑うミナギの後頭部を引き寄せる。
重なる唇。チュッと触れるだけで離すと、耳まで真っ赤に染めたミナギは目を閉じ唇を押し付けてくる。俺も目を閉じ、掻きつくように腰を抱きながら口を開かせる。
ファーストキスか?怖いか?心配すんな、俺が気持ち良く、幸せにしてやるから。
俺が求めれば、ミナギも応じて舌を差し出す。俺の上にいるくせに、恐々なのが面白くて舌を引っ込めてみる。そしたらどうしたと思う?
俺を押し潰す勢いでさらに唇を押し付けて、必死に舌を伸ばしてきたんだ。可愛すぎるだろ。予想外の可愛さだ。
おかげで俺、撃沈。舌を伸ばしながら絡めて……そこからはもう、お互いに夢中で貪った。
性別も年齢も、生い立ちも関係ない。誰に何を言われても俺達は俺達のやり方で生きていこう。幸せになろう。
カチャッ。黒い首輪が外れた。どこかで「ありがとう」が聞こえたような気がした。
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