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元警察の犬の計画は現役の警察にことごとく崩される 6
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「食い方がヘタクソだな。もっとゆっくり、味わって食えよ。ほら、服にまでついてる。動くな」
「うわっ!こ、こんなにいっぱい入ってるとは思ってなかったんだよ。でも美味しい。カスタードの卵味が濃厚なのに甘すぎないし、バニラビーンズの風味も効いててコーヒーに合う。ん、ありがと」
半分と少し食って、一口分残してかぶりついたら大噴射。手で受け止める間もなく口の周り、顎から胸元までクリームまみれだぞ。
子供か。やっと俺も、こぼさないように気をつけながら食べ進めて半分まで来たのに。皿に置いて、ミナギの服についたのをティッシュで拭う。
しかししっかり食リポ。おっしゃる通りで。あらかた、服についたのを拭って自分の指についたのもティッシュで綺麗に拭いて座り直す。すると、口の周りが大惨事なミナギと目が合った。
「ねぇねぇ、恋人らしく舐め取ってくれないの?」
「悪いな、クリームは苦手なんだ。甘すぎねぇが、これ1つで限界ギリギリ。残り食って、風呂に入ってこい」
ミナギがかまってほしいのはわかっている。普通の恋人ならこういう時、身を寄せて口の周りを舐めてやったりするんだろうが。
俺、本当に今胸焼けがヤバい。元からクリームが苦手なのを我慢して食っているんだ。ミナギさえ良ければ、俺の残りの分も食ってもらいたいくらいだったが。
「………………空気読めよ、馬鹿っ!!」
完全に怒らせてしまった。しょうがない、頑張って胃に押し込もう。叫んで風呂場に走って行ってしまったミナギの、雨に似た残り香。
深呼吸をして肺に溜めて、残りのエクレアをコーヒーで流し込んだ。あぁ、甘苦い。
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