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元警察の犬の計画は現役の警察にことごとく崩される 9
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――最後の始末書を提出して電話でミナギを呼んで。素直に迎えに来てくれたのは良かった。
すっかり精神的に疲れきっていた俺が、問い詰めないのをいいことにミナギはいつもと変わらない笑顔。明るく振る舞って、けれど晩御飯は作ってないからと今日は外食を済ませた。
帰宅して一息ついて。風呂に入る前に、今日腰抜けの同僚が言っていたことについて問い詰めてやろうとミナギを呼ぶ。
俺、カーペットの上に正座。向かいに座るように指さして、ミナギも口をへの字に曲げながらもストンッと腰を下ろす。
と、思いきや。俺の真横に座ってもたれかかってきた。俺の手を持ち上げて、そして。
「ねぇ……手を貸してよ、柚樹さん。僕すっごく困ってるんだ。僕じゃ小さいし力がないし、柚樹さんじゃないとだめみたい」
「ん?な、なんだ?もしかしてお前の部屋の電球が切れたか?って、今じゃなくてもいいだろうが」
ミナギは俺の手を両手でつかむと上目遣いで甘え、苦笑するとグンッ!と引っ張った。立ち上がって、そのまま別の部屋へ。
そう、ミナギの部屋だ。恋人になってからすぐに引っ越した。ワンルームから一軒家。頑張った。職場からはかなり遠く、不便な場所だがその分安い。
ミナギと一生暮らしていくためにと、自分の想いに気付いた時から決めていた。小さくボロい家だが、小さな庭もあるし収納も多いし間取りも申し分ない。
ミナギは俺と別々の部屋があるのが不服そうだったが。お前も趣味を持て。自由にしていい自分の部屋だぞと頭を撫でてやったら。3日後には世界が変わったな。
ミナギの部屋、本だらけ。色んな分野の色んな事を知りたいんだと。料理本が多いのは気のせいか?
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