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元警察の犬の計画は現役の警察にことごとく崩される 15
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違う、ということもない。しかし俺が我慢していた以上に、ミナギはこんなになるまで我慢し苦しんでいた。
嗚咽を漏らし、震える肩を両腕で抱く。抱きしめて目を閉じ、耳元で「すまん」と呟くとビクンッ!と跳ねた。「どうしてっ」と、声が震える。
上着を脱いでミナギの背中にかけてやり、きつくきつく抱きしめる。また、ミナギが俺の胸を殴る。泣きながら。
俺が悪かったんだな。ミナギのためを想ってのことは、逆に傷つけてしまっていた。こんなにも一緒にいたのに、ごめん。
わかったよ。わかったから、もう泣くな。
「……もしもし。遅い時間にスマン。ミナギが風邪ひいて寝込んじまったから、何日か休む。あぁ……大丈夫だ、お前ならできる。今までも、俺が休みの時はお前がちゃんとやってくれていただろ?部下を、自分を信じろ。お前は………………もう、腰抜けなんかじゃねぇよ」
ゲイのセックスについて書かれた画面を消して、スマホを耳に当てた。電話の相手は、あいつ。
電話の向こうから元気そうな赤ん坊の泣き声が聞こえた。俺は大きく息を吸って、真っ赤な嘘をさも本当のことのように並べる。そして、笑ってやった。
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