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✽溜色と満月✽ 4
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その後も近衛は大婚二十五年式典の話しを聞かせてくれた。湯に浸かり、近衛の話しに耳を傾けていると後ろから抱きすくめられ、顔を少し近衛の方へ向けた。
「那由多が付き合うてくれたから上手くいった。真に感謝している。」
「お付き合いして物珍しい美味な物をたくさん食べられましたから得を致しました。ふふ、お礼を申し上げるのは私の方で御座いましょう。ありがとう御座います。お陰で少し肥えたやも」
「はは、どれ、確かめてやろう」
言うて近衛は那由多の腹回りを撫で出した。那由多は初めて逢うた十五の時からあまり変わらない。変わったとすれば色香が増した事くらいか。
「...ん、...その様な触られ方をされると気持ち良うなってしまいます...、」
「はは、そんな事を言われたらより止めてやれなくなる。...どこが肥えたかしっかり確かめねば、」
撫でる手に指を絡めて握りやんわり諌めるも、近衛は笑うて私の首筋に唇を寄せている。一度それを快楽と捉えると何をされても気持ち良うなってしまうこの身体が恨めしい。
「どこも肥えてない。小さいままだ、」
「ここが肥えてしまいました」
舌を出して笑うとゆるりと顔を近付けた近衛がその舌を食んできた。身体に感じる熱は湯のせいかはたまた近衛のせいか。
振り向きざまの口付けがもどかしゅうなり、身体の向きを変えて直ぐ様唇を合わせ直した。
「...私も、篤忠様が肥えたか確かめます、」
間近でじっと見つめながら那由多は筋骨を確かめる様に近衛の身体に手を滑らせる。首から鎖骨、鎖骨から胸、胸から腹へと指先だけを這わせていくと近衛の顔が少し切なく歪み、鼠径部に指を行き来させ、それとなく逸物に触れると再び口付けられた。
湯殿はやたらと口付けの音を響かせる。淫猥なその音に次第に劣情を煽られ、口付けが激しさを増していく。近衛は那由多の尻を揉みしだき、那由多は夢中で近衛の逸物を扱いていた。
湯がちゃぷちゃぷと跳ね、そのゆらゆらした感覚が近衛との隙間を作っている。それが妙に嫌で仕方がなかった。
「......はぁ、...逆上せたやも、」
唇を離すと顔がとても熱うて。近衛の肩に頭を置いてふぅと息を吐き出すと近衛はくすくす笑うて居られた。
「此処じゃいかんな。熱が高まる一方だ」
「ふふ、真に。...あの窓が開けばこの様に逆上せずに済むのやも、」
見上げた飾り窓を指差す。何処ででも近衛とくっついていたい。外は深々と冷えている。窓が開けばこの顔の火照りもましになるのになと、なんの気なしにそう告げた。
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