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「あのな、お前みたいな小学生から俺は金なんか巻き上げたりしねぇわボケ」
「な、なんだと!!それ今地雷踏んだぞばか!!小学生とか言うなばか!!」
すっごい気にしてる事を何でこの男は事も無げに言い放つのか。
もう死んでしまえばいいのに。
「どうみても小学生だろテメー」
「うーーーーー!!もうばか!!!」
鼻で笑われて、何も言い返せなくて、悔しくて、泣く。
156センチしかない僕の身長。
まだ成長する!!って期待しても、毎年の身体測定でその背が伸びた事は一度もなかった。
もう伸びない。
絶対伸びない。
だから僕は一生チビのまま。
「毎日牛乳飲んでカルシウムだけじゃダメっていうからビタミンも取ってにぼしとか毎日のおやつでにぼし食べながら寝た事もあるくらい頑張ってる僕の気持ちがお前なんかにわかるかばか!!」
大屋君はきっと180はある。
本当は羨ましい。
10センチでもいいから分けて欲しい。
そんな大屋君なんかに僕の気持ちは絶対わかんないだろうな。
ぼろぼろ泣いて、噛みついて、ちょっと大屋君が引いてるのがわかった。
「まだ伸びるだろ」
「伸びないんだよばか!!3年間変わってないんだよ!!」
「あー、じゃあもう成長止まってるな」
「うーーーーーー!!もうばか!!何でそうやって、」
また噛みついて、でも声を遮られる。
遮ったのは、大屋君の、なんだろう、行動か。
「お前うるせぇ」
「………何してんの大屋君」
「別に。お前見てたらこうしたくなった」
「何で?」
「理由とかいんの?」
「いやいると思うよ。だって僕何で自分が大屋君に抱っこされてるのか知りたいもん」
座って、横抱きで、その長い足の間にすっぽりおさまって。
何にこれどういう状況なの?
「チビのままでいいだろ、お前」
「は!!!!は!!!???」
「…うるせぇ」
「てかもう何でもいいけどもう僕大屋君にびびったりしないよ。お前とか言っちゃったしもういいよね」
「言ってる意味よくわかんねぇけど」
「もういいや。そいで何だっけ、僕の代わりに喧嘩してくれるんだっけ」
「ん」
と返事をしながら、大屋君が僕の頭に鼻先を埋めるのを感じる。
その後顎を乗っけられて、また鼻先を埋めて、を繰り返されて本当に意味がわからなくなった。
「お金ちょうだいとか言わないでよ」
「ん」
「じゃああれだね!!大屋君は僕の手先だね!!」
「ん」
「………大屋君寝てるの?」
「起きてる」
「何やってんの?さっきから」
「お前の匂い嗅いでる」
「くさい?」
「全然。動物的な匂いがする」
「それって臭いって事じゃないかばか!!離れろ!!!」
「ハムスター的な」
「意味がわからない!!ハムスターってどんな匂いなのさばか!!」
「ん、なんか性的なイタズラをしたくなる匂い」
「…………なに?」
「何でもねぇ」
「何か今凄く怖い事言った!!!!」
「言ってねぇうるせぇ」
「僕もう帰るから離せ!!ばか離せ!!」
怖くて苦手だった人から変態臭がして今まで以上に怖くなって暴れた。
性的なイタズラって何!!!
おしえてえろいミッチー!!!
「お前、ちゃんと俺に言えよ」
「わかったから離せばか!!変態!!」
「あ?変態って何だよ」
「ごめん何でもないちょっともう離して離して離してーーー!!!!」
腕の中でバタバタと手足を動かしたらやっと解放してくれた。
大屋君なんか変。
変態的に変。
「じゃあ僕帰る!!」
「一緒に帰る」
「は!!!!??」
「お前、狙われてんのわかってるか」
「………」
「家、遠いのか」
「電車乗る」
「あぶねーな。駅で待ち伏せとかよくあるぞ」
「………」
「まあ、お前が平気っつーなら、」
手を振って去ろうとする大屋君の腕をがっつりと掴む。
「駅まで!!!」
「家まで」
「それはいい!!何か悪いし!!」
「うるせぇ」
いくぞ、と腕を引っ張られる。
何でこんな優しくしてくれるのか、よく分からない。
よく分からないけどまあ、手先を持てたという事で僕の脳内はるんるんだった。
大屋君がいれば百人力じゃんだって。
見返りに何を要求されるのか結構ガクブルだけど、お金じゃなかったら別に何でもいいし。
「だーーーーかーーーーらーーーー!!何で肩に担ぐの下ろせよばか!!ほんとに侮辱罪で訴えるからな!!」
もしかしたら駅まで下ろしてもらえないんだろうか。
いや、家まで?
と考えたら物凄く恥ずかしくなって僕は更に大きな声で大屋君に抗議した。
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