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僕とエイムの約束
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僕の仕事は、ターゲットの写真を撮ってくるコト。
そして、今そこにあるのは、エイムが傍に置いている色っぽいお兄さんの写真。
つまり、誰かからの依頼で、お兄さんの写真を撮りに来たのだと思われている。
「違う、違くて」
僕は、ぶんぶんと頭を振るって、エイムの誤解を解きにかかる。
でも、本人を目の前に、あなたを盗撮しに来ましたって、おかしくね?
見つかっている段階で、もう盗撮でもなんでもない……。
僕の否定にも、エイムは警戒を解かなかった。
さっと辺りを索敵するエイムは、視界に映るはずの人物が存在しないコトに気がついた。
「チュンは?」
僕の傍にいるはずのチュンがいないコトに、エイムの警戒指数が微かに上がる。
「うるさいから置いてきた」
拗ねた感情そのままに、ぼそりと告げた理由に、エイムの呆れた瞳が僕を見やる。
「お前なぁ。なんかあったら、どうすんだよ」
「……会いたかったから」
むっと顔を歪めながら、素直な言葉を紡いだ。
そうだ。僕はエイム不足で、死にそうになっていただけ。
ちょっと補給しにきただけなのだ。
僕にとってのエイムは、付き合いたいとかそういう存在ではなく、強いていうなら憧れの人。
言葉にするなら〝推し〞という単語が一番近い。
チュンは、僕のお世話係兼ボディガード、彼氏でもある。
推し活に理解は示してくれているものの、あいつの目立つ風貌は、なにかと邪魔になるから置いてきた。
「会いたかったって……」
呆れ混じりに言葉を紡いだエイムは、ん、と両手を広げる。
僕は遠慮することなく、その胸にぼふんっと飛び込んだ。
「本当、お前の情報網、……怖ぇな」
会いたくなったからと簡単に会えるはずのないエイム。
だけど僕には、対象の情報が瞬時にわかる網がある。
その情報網と盗撮のスキルで、僕はこの世界では、それなりに重宝されている。
僕とエイムの間には、密約がある。
大好きなエイムの頼みなら、聞いてあげないコトもない。
ハグは、エイムの情報を他者には洩らさないっていう約束。
「あいつ…テイルのコトも、求められても提供すんなよ?」
あの綺麗なお兄さんは〝tail〞。
……エイムを唯愛兄の所から誓斗さんの所に引き抜いた張本人だった。
「ねぇ、撫でて」
僕のおねだりに、エイムは軽く首を傾げた。
「イイコイイコして?」
それで、テイルのコトも黙っていてあげる、と暗に示した僕に、エイムはわっしゃわっしゃと乱雑に髪を掻き混ぜた。
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