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プロローグ
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ぱちん、と明るい夜の街に手の平が頬を殴る音が響く 。
先程まで彼に甘い言葉を囁き近寄っていた女子が、何があったかは分からぬが , 少し声を張り上げ、この場を作った様だ。
その先に後ろ手を着いて倒れている男は、ぼーっと、上を見上げていた。
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唐突な雨は明るい夜の街の雰囲気を変えていく 。
ライトはさらに明るく点灯して 、 甘い雰囲気を漂わせていたもの達がソウイウ建物へと入っていく 。
ただ、それと相反して雨は憂鬱でもあるのだ 。 言ってしまえば今の彼 , 逸見勇斗 _ 彼の様である。
ぱたぱたと走り 、 雨凌ぎが出来そうな出っ張りに身を潜める。
ハンカチで顔を拭けば自身のスマホで赤くなった頬を見る。
「なんか、笑えるな 。」
そう独りでに呟いてはため息を漏らす.この雨はいつ止むのだろうか。
雨に手を差し伸べ 、 雨粒を掌に乗せていれば 、
妙に、甘い香りを漂わせている者が横を通り過ぎる。
彼も , 彼と同じように、唐突の雨に慌てている様だ。
「 あの 、 雨宿りで良ければ 、 」
不意にそんな声を出す 、 彼の内に残る優しさだろう。
甘い香水の男は 「 … ああ、 それなら邪魔するわ 」と 横に並ぶ 。やけに甘い匂いは自信を包み込んだ 。こんな香水の匂い 。珍しくは無いのだ 。
けれども , ヤケに 喉奥に 、 頭の奥へと回って …… 身体中に回るような 。 そんな香りの香りで __
『 なんや? … 今ここで倒れられても困るんやけど… 』
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