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それからというものの
佐倉も七瀬もお互いの実家で
それぞれ年を越して
いよいよ帰る日になった。
『すみません!色々バタバタしてて
全然連絡が取れなくて…』
久しぶりに聞いた
佐倉の声。
瑞希が余計なこと言うから
変に意識してしまいそうだ。
「いーよ。それよりご実家で
ゆっくりできた?」
『いえ、あんなとこ…早く帰りたかったです。
七瀬さんに早くお会いしたくて!
これからお迎えに伺ってもよろしいですか?』
「大丈夫。気をつけて。」
そう言って通話を切った。
「母さん…流石に多いよ。」
「あらそう?久しぶりすぎて
張り切りすぎちゃったかしら?
冷凍も出来るから作り置きとして
帰ったら食べなさい」
実家に帰ると帰りには
荷物が増える現象はなんなのだろうか。
料理が出来ない僕からしたら
有難いことだけど。
佐倉から着いたという連絡が入ったから
荷物を持って外に出た。
「あけましておめでとうございます!七瀬さん!
あ。お荷物お持ちしますよ。」
「あけましておめでとう。ありがとう。」
そう言って荷物を渡すと
佐倉は車に積んだ。
「あー佐倉さんだ!
また見たかったんだよねー!
やっぱいっけめーん!」
テンションが高い瑞希。
佐倉も少し困惑している。
「あー。妹の瑞希。」
「これはこれは。なな…柚希さんと
同じ会社に務めてます。佐倉 綾人です。
柚希さんに似て可愛らしい妹さんですね。」
家族がみんな七瀬だからか
初めて呼ばれる下の名前にドキッとした。
可愛いと言われて
キャーキャー騒ぐ妹。
近所迷惑だろ…。
「柚希の母です。いつも柚希がお世話になってます。」
母も外に出てきて挨拶をしていた。
「いえいえ、こちらこそ。
部署が違えどいつも柚希さんには良くして頂いていて…」
「柚希…素敵な方じゃない!
すみませんね、主人は友人との集まりだと
今は不在なもので…」
「いえ、また改めてお時間ありましたら
ご挨拶に伺わせて頂きます。」
ご挨拶ってなんのだ。
「柚希。ちゃんと食べてちゃんと寝て。
身体にだけは気をつけるのよ…
佐倉さんも、宜しければうちの料理ですが
沢山作ってしまったので
お口に合えば一緒に食べてあげてください。」
「ありがとうございます。
家庭の味は久しく口にしていないので
凄く嬉しいです。美味しく頂きます。」
会話も程々に車に乗りこみ走らせた。
「賑やかで暖かい御家族ですね。」
「煩いだけだよ。」
「それでも暖かくて素敵です。」
どこか羨ましそうな表情の佐倉。
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