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乙女ゲームに転生した:1
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自転車に轢かれた俺、【大咲大雅】10才は思い出した。自分の前世を。
そして、ここが乙女ゲームの世界だということを。
俺、大咲大雅は前世自分のストーカーに刺されて死んだ。享年28歳。
前世の俺は見た目が良かったから女にモテた。ホストをやってたくらいイケメンだった。
しかし、俺はゲイで男が好きだった。しかも、抱かれたい側だった。
幼い頃から、可愛いとちやほやされている女の子が羨ましかった。かっこいいよりも、可愛いと言われたかった。
成長すると俺は身長180cm超えのイケメンに育ったから、それは尚更だった。
好きな人に可愛いと言われて、大切にされて、抱かれてその人の子供を産める。
女性、女というものへの嫉妬。
だから、最低だけどいくらでも女の子に甘い言葉を囁けたし、することが出来た。
感覚は憂さ晴らしに近かった気がする。
だから、今俺は自業自得だったと思っている。
よくある話、俺に本気で惚れていた客にストーカーされて最終的に殺された。
もちろん、ストーカーされていた時は怖かったし刺されてクソ痛かった。
でも、出血多量でいざ死ぬってなった時に思ったのは「やっと終われる」ってことだった。
さて、そんな前世を俺は坂道から突っ込んでくる無人自転車に轢かれて思い出しました。
クソ痛い。
無人自転車は俺にぶつかって進路を逸れ、住宅街の壁にぶつかって倒れた。
俺も同じタイミングで地面に頭から倒れる。
坂道の上の方から誰かが大声で謝ってる声が聞こえるけど、俺は前世を思い出したことと頭を強打したことにより簡単に意識を手放した。
「……ガ!……タイガ!」
揺れる感覚と今の俺の名前を呼ばれて、意識が浮上する。
目を開けると、どアップの美少年と目が合った。
「タイガ!良かった……目が覚めた!」
美少年は大きな目に涙を溜めながら、安堵した表情を浮かべる。
「え……あ、リョウ?」
美少年こと、【長谷川亮太】は今の俺の幼なじみだ。
赤みの強い短い茶髪に、キリッとした眉。ぱっちりとした大きな目に長いまつ毛、笑うと八重歯が見えるヤンチャな男の子。それが亮太だ。
俺が亮太の名前を呼ぶと、亮太は今にも溢れそうな涙を乱暴に拭った。
「ごめん、俺が自転車離したから……。」
そう、今日は亮太と2人で遊ぶを約束をしていた。
待ち合わせ場所は亮太と俺の家の間にある坂の上。
先に到着していたらしい亮太は、坂の上から俺を見つけて両手で手を振ったのだ。
その結果、亮太の手を離れた無人自転車が俺に向かって突っ込んできた。
……いや、馬鹿だろ。危ねぇよ。
とは思ったが、俺は前世28歳+今世10才の大人だ。
亮太も反省してるみたいだし、ここは穏便にいこう。子供のした事だ、許そう。未だにクソ痛いけど。
というよりも、俺の脳みそはそれどころじゃなかった。
俺は前世と同時に、ここが乙女ゲームの世界だということを思い出してしまったから。
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