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カナたん見守り隊:1
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あの後、俺は亮太におぶられて帰宅した。
両鼻から鼻血を出して、手を震わせ、唖然としたまま座って動かなかった俺を半泣きでおぶってくれた亮太。
本当にごめん。さぞ変態っぽくて怖かったことだろう……トラウマになってないといいな。
さて、ついにカナたんに会ってしまった俺。
いやぁ……恋超えて愛だわ。
恋と愛の違い?それは人それぞれだと思うけど、俺にとっての愛はそうだなぁ。
カナたんの幸せが俺の幸せ。
そこに俺はいなくていい。ヒロインとのイチャコラ見れないとか言ってたけど、カナたんが幸せなら俺がヒロインとくっつけるよ。
俺はいらないもの。
俺はカナたんを幸せにする為に産まれてきたんだ。
よし、そうと決まったらヒロインとカナたんをくっつける為に俺は何でもするぞ。
カナたん!
俺カナたんを幸せにしてみせるからね〜!!
***********
まず俺は、少年期カナたんを知ることから始めないといけない。
俺が知っているのは、攻略本、攻略サイトに載っていた好感度をあげる方法と簡単なキャラクター背景。
【深窓奏汰】
日向高校 3年A組 帰宅部
身長182cm
難破な性格で、女性関係に事欠かない。
交友関係は広く浅く。隣の家に住んでいる攻略対象が親友で悪友。
難破な性格の由来は、過去母親から愛情を貰えなかった為。
ゲームでは『寂しさを紛らわす為にヤッた』と本人が吐露していた。
ヒロインにも可愛いからという理由で声をかけて、裏表のない性格に惚れる。
ヒロインの一途な愛情によって、ヒロインだけを愛するようになる。
ちなみに、カナたんのバッドエンドはヒロインとワンナイトで終わる。
とりあえず、今はまだ難破な行動を起こす前だから……カナたんの様子を見つつ害虫を駆除して行こうと思う。
全てはカナたんの幸せのために!!
***********
9月某日。
今日はカナたん見守り隊始動初日だ。
今日の目標は昼休みと放課後のカナたんの行動を把握すること。可能なら学校での友好関係も把握したい。
給食を食べた後、俺は亮太達の誘いを断り5年生の教室へと向かった。
俺達が通っている小学校は2クラスしかない為、俺は事前にカナたんの下駄箱からクラスを把握している。
カナたんは5年2組。出席番号は10番。
教室を除くと、そこには数人の生徒が思い思いに昼休みを過ごしていた。しかし、その中にカナたんは居ない。
俺は目を凝らして教室を除くが、やはり何度観てもカナたんはいなかった。
教室以外の場所を探そうと俺は踵を返す。
「わっ……と。」
俺は勢いよく人にぶつかってしまったようだ。
「あ、ごめんなさ……。」
俺はその人に謝ろうと顔を見上げ、そして目を見開いた。
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